8時、起床。
チーズトースト、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。
いよいよオリンピックも終わりが近づいている。ここに来て玉井(男子飛び込み)の「銀」は快挙だ。
昨日のブログを書いてアップする。
今日は1時から句会(オンライン)があるので、昼食はカップ麺で済ませる。
第62回いろは句会。対面の参加者は画面左上から、犬茶房、たかじ(私)、月白、さやか(選句のみ)、渺の5名。事前選句は蚕豆(投句も)、花、恵美子の3名。
投句は15句(5名)といつもより少な目なので、選句は一人3句とした。天(5点)、地(3点)、人(1点)である。金銀銅のメダルの感覚。
いつものように月白さんが作品を読み上げ。
選考タイムに入る。
私は次の三句を選んだ。
天 魂を探しているのか黒揚羽(クロアゲハ)
炎天の下、黒揚羽がひらひらと舞っている。どこかふらふらとしているように見えるのは、生まれたばかりなのか、あるいは寿命が尽きようとしているのかもしれない。私は後者に解釈した。体から抜け出そうとしている魂(命)を追い求めて舞っている孤高の王女のような雰囲気が漂っている。
地 白杖(はくじょう)にREVOLUTIONとある朝ラッシュ
その乗客は視力が弱いのであろう。白い杖を持っている。しかし、満員電車の中、席を譲られることなく、身じろぎもできないままにじっと立っている。杖の持ち手のところには「REVOLUTION」と刻印が押されている。ここにも孤高の人がいる。
人 新馬鈴薯(新じゃが)を胸に抱きてプロポーズ
その男は農夫なのだろうか。自分の畑で収穫したばかりの馬鈴薯(じゃがいも)を両手に抱えてグラマラスな中年の女にプロポーズをしている。「僕のお芋さんに、いや、間違えた、僕のお嫁さんになってください」。「この芋男が・・・」と女はあきれ顔である。でも、男は諦めない。そしてドラマの最終回(第10話)では女は男の10回目のプロポーズに「はい。あんたのことが大好き」と答えるのである。ドラマのタイトルは『シン・北の国から』。脚本・演出は宮藤官九郎、主演は阿部サダヲと小池栄子だ。
集計結果は以下の通り。
15点 魂を探しているのか黒揚羽 月白
今回の特選句は月白さん。渺さん、犬茶房さん、私の3人が「天」を付けた。作者によると、蝶は死んだ人の魂のを運んでくるという(そういう伝承がある)。ということは、この黒揚羽は、運んでいくべき魂を探しているところなのか、あるいは運んで来た魂を途中でどこかに落としてしまって、それを探しているのであろうか(笑)。クロネコヤマトならぬクロアゲハの宅配便である。
(特選に喜ぶ月白さん。夫の渺さんも喜んでいる)
14点 白杖にREBOLUTIONとある朝ラッシュ 犬茶房
蚕豆さんが「天」を付けた。コメントに曰く「最初は若い人かと思いましたが、ビートルズの世代の方と解釈した方が面白いかも。REVOLUTIONが手書きなのかどこかのブランド名なのかわかりませんが、さまざまな苦労をしてきたであろうその人のひそかな気概を感じます」。作者が調べたところでは「REVOLUTION」はブランド名らしいとのこと。なお、この方は若い方で、同じ電車でしばしば作者と乗り合わせるそうで、始発駅なので座っているとのこと。う~ん、作品的には立っていてほしかった(笑)。
8点 水鉄砲海の向こうで敗れる日 蚕豆
恵美子さんが「天」を付けた。コメントに曰く「オリンピックか戦争か。何に敗れたのだろう。直接的な言い回しではないけれど、戦争の香りもしました。水鉄砲くらいにしておけば良いのにね、と」。作者にとってこの句は兼題句(スポーツを詠む)なので、国技である柔道が団体混合決勝でフランスに敗れた日のことを詠んだのではないかと想像するが、「水鉄砲」(目の前で子供が遊んでいるのであろう)という言葉からは、どうしても戦争を連想してしまう。私の伯父(母の長兄)は終戦の年の8月の上旬、テニアン島で戦死(玉砕)した。オリンピックは国際間の疑似戦争である。負けて号泣はしても死者の出ない戦いである。
7点 ハードルを脚(あし)のびやかに夏の風 たかじ
私の句。月白さんから「天」をいただいた。月白さんは高校生のときに陸上部に入り(高身長の彼女には方々の部から勧誘があったそうだ)、その練習のハードさに、すぐに退部して吹奏楽部に転部した経験があるそうである。私はこの句をオリンピックの女子400メートルハードルの予選の中継を観ているときに作った。彼女たちはみなスリムで脚が長く、パリコレのモデルさんのようであったが、脚の筋肉には力が漲っていた。初句は最初「ハードルの」にしていたが、推敲をして、「ハードルを(越える)」とすることで躍動感を出した。
6点 きゅうり食(は)むビート乱せるメールきて 犬茶房
蚕豆さんと月白さんが「地」を付けた。蚕豆さんのコメントに曰く「何か驚かすようなメールが来て、自分を落ち着かさえるために、とりあえずきゅうりを食べた、ということでしょうか」。この解釈だと、メールが来て(読んで)からきゅうりを食べたことになるが、一定のリズム(ビート)できゅうを食べていたときに、それが突然のメールで乱されたと解釈する方が自然だろう。気持ちを落ち着かせるために水を飲むことはあるが、きゅうりをかじることってあるのか。キリギリスか(笑)。実際、作者の説明もそのようなものであったが(キュウリのサンドウィッチを食べていた)、問題のメールは私からのものであったようである(彼女が執筆中の博士論文に関して)。
6点 八月の街みんな釜茹での刑 月白
さやかさんと花さんが「地」を付けた。花さんのコメントに曰く「釜茹での刑←この喩えが好き💛」。人間(俳人)には二つのタイプがある。暑い夏にその暑さそのものを詠む人と、反対にその暑さを一瞬忘れさせる句を詠む人である。作者はあきらかに(あからさまに)前者のタイプである。私にはとても作れない(作る気になれない)句である。「釜茹で」はパスタだけでいいし、「釜茹での刑」も石川五右衛門だけでいい。
5点 補助輪の自転車疾走夏空へ 月白
花さんが「天」を付けた。花さんのコメントに曰く「屈託のない子どもの姿に平和を感じます」。でも、私はむしろ恐怖を感じてしまった。作者の説明によると、坂道でお父さんが子供に自転車の乗り方を教えているところを詠んだものとのこと。ということは、自転車は坂道を下っているわけで、「夏空へ」という方向とは逆である。しかし、「疾走」とあるからスピートを制御できなくなって、交差点で車と衝突して子供が「夏空へ」飛ばされるという恐怖のシーンが連想されてしまうのである。家族の幸福な日常の風景が、一瞬にして、地獄絵に変わるのはドラマや映画ではよくあることである。
5点 炎天をBMX引き裂けり 渺
さやかさんが「天」を付けた。「BMX」は「バイシクルモトクロス」のこと。オリンピック種目である。空中に飛び出して回転するところはまさに「夏空へ」というベクトルである。ちなみに渺さんは今回のオリンピックの中継で観た競技の中でこのBMXが一番よかったそうだ。へぇ、そういう感想は初めて聞きました。ちょっと独特ですよね(笑)。
3点 新馬鈴薯を胸に抱きてプロポーズ 蚕豆
旭川在住の蚕豆さんの句。一体、これはどういうシチュエーションなのか、みんな知りたがった。事前選句のコメントで恵美子さんは「気になりましたが、意味がわからなすぎて採れませんでした。作者の意図をぜひ聞いてみたいです」と述べていた。私は選句のときにふざけた解釈を付けたが、「新馬鈴薯祭りというのがあって、そのときのことではないか」と推測した人もいた。投句のときに自作品の解説もしておいてもらったらよかった。
3点 初めての日傘はみず色そらの色 たかじ
私の句。ブログの読者はご存知だろうが、私はこの夏、日傘デビューをしたのである。たんに「新品の日傘」ではなく「初めての日傘」なのである。蚕豆さんからは「みず色、そらの色と繰り返すリズムがウキウキした気持ちを感じさせます」とのコメント(人)をいただいた。花さんからは「モネの日傘をさす女性が浮かびます」とのコメント(人)をいただいた。
今回は作品が少なかったし、選句の数も少なくしたので、全部の入選句に感想を書けた。
次回の句会は10月6日(日)。兼題は「(実在の)地名を詠みこむこと」(by 月白)。
では、みなさん、ごきげんよう。
忘れなううちに「句会ブログ」の下書きをする。鳩サブレ―を食べながら。
「ティールーム101」のマダムにLINEをして、5時頃伺いますと伝える。
夕方になると、少し風があってしのぎやすかった(台風の影響かしら)。
久しぶりでグレープフルーツのセパレートティーを注文する。
シフォンケーキは桃とカルピス。
閉店の6時過ぎまでいた。
暑い暑いとはいっても、暦の上ではすでに立秋(8月7日)を過ぎている。
夕食は夏野菜と鶏肉のぶっかけ蕎麦。
デザートはアイスクリームにブルーベリー。
女子バスケットボール決勝、フランス対アメリカ戦を観る。最後の最後まで勝負の行方がわからない大接戦だった。男子予選リーグの日本対イタリア戦を思い出させたが、他の競技も、日本人選手のからまない決勝戦を競技として観戦したいものである。
風呂から出て、今日の日記を付ける。
2時半、就寝。