7時半、起床。
理想的な起床時間だ。すぐに一階の雨戸を開ける。これで駅に向かう人たちが出窓にいるチャイを見ることができる・・・かというと必ずしもそうではない。チャイは縫いぐるみでも置物でもないから、いつも出窓のところにいるわけではない。だからチャイを見られると「ラッキー」なのである。動物園のパンダみたいなものである。道行く人たちがチャイを見ることのできる一番確実な方法は、毎朝、一定時間、私がチャイを抱っこして玄関先に立っていることであるが、そういう「猫地蔵」みたいなマネはできそうもない。「猫地蔵」ならまだご利益がありそうだが、「妖怪猫爺(じじい)」なんてことになったら目も当てられない。いまだってすでに近所の子供たちには「猫を抱っこして散歩しているおじさん」として認識されているのである。好感度は高いようだが、そのうち、「ダメ、みちゃいけません」と母親が子供に小声で注意したりするようになるかもしれない。人気なんて水ものなのだ。
チーズトースト、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。
今日の珈琲カップはいつもよりも一回り大きい。珈琲豆が中途半端に残りそうだったので、全部使ってマグカップに淹れたのだ。作家は同じ田中一光。マグカップの方が青味が強い。マグカップは2個あるので、お盆休みに娘が来たときに1個あげようかと思ったら、娘はさらに大きなスープカップを持って行った。
朝刊に三鷹市が太宰治の直筆原稿を購入したという記事が載っていた。三鷹は太宰が晩年、住んでいた土地である。「雀」という短編小説で200字詰め原稿用紙38枚。購入価格は880万円とのこと。9月1日から29日まで三鷹駅前の市美術ギャラリーで展示されるそうだ。38枚全部を並べる形で展示するのだろうか(だといいけど)。200字詰めの原稿用紙(「半ペラ」と呼ばれていた)というのは私たちにはあまり馴染みのないものだが、作家や記者などがよく使っていた。400字詰めに較べて広げるスペースが狭くて済むし、書き損じて丸めて捨てるときも小さな無駄ですんだ。それに執筆がはかどる感じ(今日は何枚書いた)もよかったのかもしれない。いまはみんなパソコンで原稿を書いている。A4の書式で書くと、一頁はワードの初期設定では40字×36行で、400字詰め原稿用紙換算で3.6枚に相当する。一頁分書くのはなかなか大変なのだ。
今日は王位戦5番勝負の第5局の一日目。アメバTVの中継を観ながら、昨日のブログを書く。
一日目の午前中だか、いきなり激しい展開になった。盤面は後手の渡辺が8六銀と打ち込んところ。先手には歩がないので、同歩、同歩と進むと、8八歩と受けることができない。なので6六銀と交わして攻め合いを目指すか(飛車がこのままでは攻めに参加できないので、どこかで2八飛の一手が必要になる)、8八銀打ちあるいは7八銀打ちとガッチリ受けるか(ただし千日手の可能性が出てくる)の判断を迫られている。形勢は互角。このまま昼食休憩に入った。
私も昼食を食べに出る。
近所の蕎麦屋「吉岡家」に行くので、Tシャツ、半パン、サンダルである。
床屋の前を通ると「夏休みやる事ないなら散髪へ!!!」と書かれた黒板が出ていた。社会人の夏休み(お盆休み)はもう終わったよね。
久しぶりの「吉岡家」。
注文を済ませて、キンドル・スクライブをバッグから出して、『村上春樹 雑文集』を読む。いよいよ読み終わる。
ランチセット(750円)から、もり蕎麦、目玉焼き(半熟)、ごはん(軽め)の組み合わせをチョイス。
主菜にはアジフライとか唐揚げとかいろいろあるのだが、目玉焼きを選んでいる客はめったに見かけない。もしかしたら私ぐらいかもしれない(そんなことはないとは思うが)。
半熟で焼いてもらって、ごはんの上に載せて、醤油をかけて食べるのが好きなのである。こういう食べ方をしている客は、これは間違いなく、私しかいない。お店の方は見て見ないふりをしている。武士の情けみたいな感じで。
帰り道、パン屋と電気屋があった空き地が更地になって、囲いができている。マンションが建つのだろう。
将棋の方は、昼食休憩前の局面から、先手藤井が8八銀打ちと受け、後手の7七銀に同玉と顔面で受けた。一目、後手からの8六歩が怖いが、同歩、同角に7八玉と引いて受かると読んでいる。
以下、5五角、6六歩、5四金(!)、2八飛、6四歩と進み、ここで先手藤井が次の手を封じた。残り時間は同じで、形勢は藤井が少し指しやすい(AIの判定)。
皮膚科に吹き出物(ニキビ)の様子を見せに行く、塗り薬+飲み薬を一週間続けたが、大して小さくなっていない。切るか(形成外科)か液体酸素で取るかですねと言われる。そうまでしなくてもと思ったので(医師もそう思っているようである)、しばらく様子を見て、考えますと答える。
夕食はサンマの塩焼き、蓮根と挽肉の炒め、ポテトサラダ、味噌汁、ごはん。
初さんまである。二尾で500円したそうだ。目黒のサンマ祭りでも塩焼きを振舞うのは(コロナ禍依以来)中止になっているそうだ。さんまの価格の他に祭りの実行委員の高齢化ということがあるようだ。秋刀魚焼く昭和も遠くなりにけりである。
食事をしながら『ブラック・ペアン』第7話(録画)を観る。今回も医師会会長選挙がらみの公開オペ。シーズン2は公開オペの連続で、いささか食傷気味である。なにより患者がよく同意するものである。
原稿(論文)を書く。昼間も対局中継を無音で観ながら、書いてはいたが、捗らなかった。それは気が散っていたからではなく(それもあったかもしれないが)、今日は「書く」フェーズではなく「考える」フェーズだったからである。明日は「書く」フェーズになると思うが、対局も二日目(勝負の決する日)だからな・・・。原稿を書く私と対局を観る私、二人いるといいのだが。昭和の子どもなら「パーマン2号がほしい」というところだ。
風呂から出て、今日の日記を付ける。
1時半、就寝。