8時、起床。
鶏肉団子スープ、トースト、サラダ(トマトとレタス)の朝食。
お昼に家を出て、大学へ。
今日は晴天。
3限は大学院の演習。
授業を終え、雑用を片付け、大学を出る。遅い昼食をどこで食べよう。目を閉じて、胃袋の声に耳を傾ける。「永楽のワンタンが食べたい」と言っている。
大井町で途中下車。
まずはスープを一口すする。うまい。これです、この味です。ワンタンの皮のぬるりとした食感。その皮に包まれた多すぎず少なすぎずちょうどいい量の肉団子にスープが浸み込んで実に美味しい。
食後のコーヒーは「pottery」で。信州旅行や親戚の葬儀があったりで、来店は3週間ぶりである。
明日が締め切りの原稿の下書き。鞄にノートパソコンを入れて持ち歩く習慣はないので、ノートにペン書きである。
カウンター席にいた二人の常連客が出て行ったので、マダムが私のテーブルに来て、しばらくおしゃべいをする。「永楽」と「丸八」と「一富士」は親戚関係にある(知らなかった!)といった地元の商店の話をあれこれ聞くことができた。
蒲田に着いて、ここも3週間ぶりの「まやんち」へ顔を出す。木の実のキャラメルタルトがまだメニューにあったので、小躍りして注文する。今日最後の一切れだった。
モモコさんの姿が見えなかったので、今日は早上がりかなと思ったが、会計のとき、店長のますみさんが「モモちゃんが大久保さんにごあいさつができなかったことを残念がっていました」と言われた。最初、何のことかわからなかったが、ナント、モモコさんはご出産のため先週でお店を辞められたというではないか。びっくりした。彼女がお店を辞めたこともびっくりしたが、それ以前に、彼女が身重の体だったことにびっくりした。全然、気づかなかった。それを言うと、ますみさんの方がびっくりして、「あんなにお腹が大きかったのに!」と言った。予定日は1月だというから、相当に大きくなっていたはずで、なんで気づかなかったのだろう。以前、同じようにご出産のためにお店を辞められたカナさんのときは、早くから気づいたのに・・・・。電車の中でも席を譲るべき妊婦さんがそばにいないか日頃から気にしているのに・・・。一体、私はどこを見ていたのだろう。われながら不可解である。
モモコさんが「まやんち」で働いていた期間は1年半ほどだろうか。所作がエレガントで、落ち着いていて、最初からベテランの方のような印象を受けた。弁勉強熱心な方で、何かのスイーツを注文して、それに合うお茶を相談すると、最初はますみさんに聴きに行っていたが、すぐに自分で答えられるようになった。今日は木の実のキャラメルタルトに東方美人を組み合わせて注文したが、モモコさんはきっと、「はい、いいチョイスだと思います」と言ってくれただろう。
美味しいスイーツ、美味しい紅茶、そしてモモコさんのエレガントな所作、この三位一体が私にとっての「まやんち」の魅力であった。彼女が(私からすると)突然いなくなってしまったことはとても残念で、悲しい。せめて「これまでありがとうございました」と「安産でありますように」と挨拶を交わしたかった。
6時半、帰宅。
夕食は回鍋肉。キャベツと豚肉以外のもの(たとえばピーマンとか)はいれたくれるなと再三妻に言って、最近、ようなくそのようになった。最小限の構成要素だけの方がかえって美味しい料理というのはけっこうあるものである。