ジョドファーブーツ、通称はジョッパー・ブーツとも呼ばれることがある冬の一足です。暖かいのはブーツの常ですが結局くるぶしから上までを覆うために気密がよいだけのお話、ムレるともいいます(爆)。
そんなジョドファーを先日の九州ゆけむり紀行や日帰り上京ツアーで集中的に履きこんでみましたのでインプレッション。ジョドファーの比較インプレッションは非常に珍しいのでわないでしょうか。
さて、左側のダークブラウンはジマンのエドワードグリーン・グレッシャム。ラスト888という非常に珍しい木型に落とし込んだエドワードグリーンの傑作。このところテカテカした仕上げに飽きてきたので(爆)、アブラ分を徹底的に落としたのちにルイヴィトンのヌメ革のお手入れにも使えるというナッパレザー専用のスプレーで保革処理をしてあります。防水という点では心許ないですが、この仕上げは革そのものの質感が全面に出てなかなか興味深いです。革本来のムラを味わうには好適。
一方のライトブラウンのツートーン仕上げはラルフローレンの定番。ただし英国製のもので、おそらくはクロケットジョーンズ製か?使われている革のなんともいえない色合いと質感に惹かれて買ったものです。こちらはトウのみご覧のような鏡面仕上げとして愉しんでおります。
履き心地はまあアシの形にもよるのでしょうが、どちらもロングノーズのスクエアトゥですから余裕があるとはいえません。けれど、2足ともダブルソールとは思えない返りのよさが身上。ダブルソールですから少々の雨や雪ではびくともしませんし、なんといってもそいうときのために油脂類を塗りたくっているわけですから(爆)見ものです。
さらにもう一足、左側のブラウンはジョンロブのジョドファー。ストラップの取り回しが独特で、ロブならではのアイデンティティとなっていますが、全体的にはジミ。革質も申し分ないですが、木型がどちらかといえばショートノーズなのと色合いが控えめなあたりがいかにもイギリス、という感じでブランドカラーが良く出ています。こいつに20万円弱を支払うのはそれなりの理解とブランドかぶれ(爆)が必要であるといえるでしょう(爆)。
ジョドファーは木型の個性を味わう靴です。その点、888の立体的なトゥの造形がきっちり強調されるエドワードグリーンは出色。画像のようなマット仕上げはかえってシェイプが強調される結果となって、木型と革の質を味わうジョドファーの楽しみにはぴったりでしょう。RLはここ10年は一世を風靡したロングノーズ、スクエアトゥを強調した木型ですからトレンディな味わい。このようなハデな仕上げも似合うと思います。ロブは長靴を連想させてくれる地味~なフンイキがキャラクターですが、他の2足と比べた場合には華がない。それでよいのだ、との作り手からのメッセージが伝わって参りますが、ぢゃあなにが楽しいんだい、ということにもなって、理解するのには年季が必要でしょう。履き心地もフツーっす。これのみシングルソールですが、年中曇りがちで気分沈みがちのロンドナー(勝手な解釈ですがなにか)が望む靴はこいうものなのか、と。