靴にはクルマと一緒で、味わいどきがある、というのが私の持論です。
使い込んだものの良さは靴もクルマも変わらない、というのは定理ですが、パフォーマンスのピークはおのずとあって、それを過ぎたものは、まあ思い出の品(完全意味明瞭)、ということになります。
思い出の品は、それはそれで、他の何物にも代え難いお宝。
お金出しても買えるものではないだけに、違う物差しが必要です。
たとえば私の場合、20年程前にポルシェ911を手に入れた当初は、一生乗ったる、といってハナイキ荒かったわけですが、現実にはそうもゆかず。
壊れようがなにしようが、乗ったる、というノリもなくはないが、冷静に眺めてみれば、普通の工業製品。消耗パーツのカタマリであることに何らかわりはございません。
ここに気がついちゃうと、醒めるのは早い(爆)。愛着は愛着、思い出は思い出として、記憶の中に大切にとっておいて、ブツはとっとと売り払う。
今回の一連のブーツ売却はまさにこれ。
履き込んで味が出てきたかな、というのがまあ私の使用頻度でだいたい5年目くらいから。ここからざっと10年経過くらいまでが履き心地、見た目ともにパフォーマンスのピークで、頻度にもよるが、だいたいこの頃にオールソールと呼ぶ、靴底替えを行います。
これを繰り返してゆくのがまさに一生もの。グッドイヤーウエルトという製法の靴だと、こいつを3、4回は繰り返せる、ということになっております。靴の王道、といってよい使い方だと思われますが、現実には10年経過後の靴は2軍入り。ってのが私の使い方。
もったいない、とはあんまり思いませんし、使い尽くした感というのもあって、一応マンゾクするわけです。
じっさい30年経過、なんてのもあるけど、使用頻度はどんどん減ってきております。
クルマと違って、置き場所に困らない靴の場合は、売っても二束三文だろうし、しまい込んででも、もっておけば、というのがいままでの私の常識でした。
がっ「しまい込んで使わないものは、持っていないのと同じである」との落合センセの名言にしたがいまして、しまい込んでいるのもアレだし、使いやしないものを並べて眺めている趣味は持ち合わせておりませんので、手放してしまいますた。寂しいけどね~。
また、画像のludlowにかんしては、話題のサイドバックルの感触を確かめるのが目的だったので、後くされなしです。
愛着云々いうまえに、転売。それにしてもウワサのハンターカーフは凄かった。
あと、1105と呼ばれるラストのなんともいえない造形美が圧巻。
おかげさまで、予想通りに異様な高額で、好事家さまのお手元に旅立ちますた。
最新のジョンロブのブーツ体験は、今後の展開にも大いに影響を及ぼすことになるのですが、このあたりは次回。
それにしても中古靴のマーケットは侮れない。クルマ、トケイくらいまでは理解できるんだが、靴にまで一定の相場が形成されつつある昨今、それこそ中古品の世界には玉石混淆の時代がきていて、マーケットをのぞいてみると結構面白いものですよ!
画像のjaguar E type series1。うっとりと眺める、てのは他人事だから。現実には鉄(以下自粛)