嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

コードバンのミガキ

2006-02-16 22:12:03 | うんちく・小ネタ
0215jpg_005コードバン、いまではつやだしの革の仕上げの1タイプを意味することもあるようですが、本来は馬のお尻の部分から採取した革そのもののことです。一頭からほぼ一足しか作れない、ということで靴用の革としてはほとんど頂点、まさにアコガレの存在として、靴マニヤの間では取り沙汰されるわけなんですが、生産量は当然ながら少なく、また自然の産物には違いありませんから靴に仕立てられるようなキズのない上物は必然的に高価。ローファー一足が5マソ以下だったらまずは買い、とそれくらい高価なのがコードバンローファーです。
靴ミガキだなんだといっても、コードバン以外の皮革で作られた靴が光るのは結局、表面に「塗装」された塗料にワックス(靴墨)が乗って光るだけなのです。つまりは皮本来のつやではなく、ワックスに水分を補填して人為的に(爆)「光らせたもの」の輝きなわけです。
ところが、コードバンの靴に関してはそうでわない!こいつだけは革自体が光る。それも独特のツヤツヤした光り方なので私などはすれ違いざまに一目見れば大体わかる、それくらい特長のある光り方がコードバンの持ち味ともいえます。エナメルにも見方によっては近いので、やりすぎるとゲヒンになったりもするのがまた楽しいところでもあります(爆)
なものですから私のような磨きマニヤにとってはこのコードバンで作られた靴はまさに垂涎の的!

んが、このコードバン、磨き方は異例にむずかしい!何より忘れてならないのは他のほとんどの革靴が牛革で作られるのに対してこいつは馬革だという事実です。
素材を選ばないタイプの栄養クリームなども売られているようですが、ブラックやバーガンディなどの濃色はともかく、画像のような薄い茶色の個体に関しては色がどんどん濃くなってしまうというモンダイが発生します。

というわけで今回またしてもベルルッティのワックス、ジョーヌに登場してもらい、本来ならば革自体が光るはずのコードバンにワックスを塗りこんでみますた・・・反射がすごくて(爆死)アンダー気味になるくらいな光り方でつが、これはこれでよいか、と。イヤになったらまたQBで、と。みなさまこれが靴の楽しみなり(違)

画像の靴はAlden for United Arrowsのコードバンローファー。ウイスキーと呼ばれる茶色の一足、すでに絶版となった80年代末期の遺品ですがゲヒンすぎ(爆)?


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