嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

履き道楽 2018 ローファーのレストア

2018-04-07 08:51:39 | 履き道楽

画像はおいまつえん の庭でようやく満開となった梅でございます。気温は、高めながら、乱高下。冬物をいつしまうのか、毎年のことですが悩んだりしているうちに、年度が変わりましたw

さて、年度末には恒例の靴のお手入れでございます(そっちかい)

履き道楽は、ローファーに始まり、ローファーに終わるのです(ほんとか)。一足目のリーガルは35年もの(驚愕)でオールソール交換2回を経てまだまだ現役。

と言いたいところですが、流石に安物(爆)。

当時、雑誌POPEYEなどでもてはやされていた、GH.BassのWEEJUN と呼ばれたコインローファーのもろコピーで、当時25000円だったBass Weejunsを買えなかった若者たち(オレです)向けに売られていた、なんちゃってモデルです。

これすら定価では買えず、当時八重洲のリーガルの裏あたりにあった、リーガルシューバーにB級の放出品として並んでいたこの個体はたしか9800円で、やっと買った記憶がございます。

クロケットジョーンズが3万円代。エドワードグリーンやジョンロブが7万円弱で売られていた時代のお話です。ちなみに消費税導入以前(爆)。

靴も、このグレードでは、革そのものが光る、というのではなく、革に塗った塗料のガラス質が光る、というメカニズムですから、丁寧に扱っているつもりでも、いつしか革と塗料が割れてしまいます。

そろそろ寿命か、と考えないではないですが、そこは私。愛着たっぷりの一足を捨てられるわけがございやせん。レストアするべ、というわけで一念発起。手持ちのクリームとブラシで、3日ほどかけて徹底的にやってみますた(ヒマなのか)。

挟まれている、1¢コインは当時、はやったおまじない。タバスコをつけた綿棒で磨いたりして(爆)、バリバリでございました(とほひめ)。

今更ではございますが、私は靴ミガキには、2種類あると思います。ひとつめは「磨き」という言葉から連想しやすい、ツヤを追求するやつ。

鏡面磨きだ、などといって店頭や、歩道脇でみかけるやつは大抵がこちらで、5分から10分で一定の結果をみます。

テクニック的にはロウ=ワックスを重層的に塗り重ねて光らせるやり方。見栄えだけは良いかもしれないが、靴そのものには決して優しくないのと、じつは歩き始めた瞬間にワックスが割れてしまったりもします。

プロの磨きは、また別次元でしょうけれど、いずれにしろ、ロウを塗って光らせてナンボの世界です。靴そのものを大切にする、とかコンディション云々だとかそういったキーワードとは無縁の別世界。

靴磨きスタイルのふたつ目が「保湿」を主眼にした、お手入れ系。

ビーズワックスと呼ばれる、栄養クリームを靴に染み込ませて「保湿」ヲおこなうのが長年の私のやり方でしたが、ここへきて

これや

これにも手を出して、栄養クリームづいている昨今です。メンズイーエックスの別冊の影響つよし(爆)。ここ5年間はこればっかりです。なんといっても、靴への吸収がよく、塗るそばから靴に吸収されていってしまうあたりはクセになります。

ツヤよりも、革の質感が全面に出るあたりが J L狂いの私にはピッタリでございます(爆)。靴そのものにももちろん優しく、えも言われぬ見事なツヤが上品に出るのもウレシーところ。

ちなみにこれら栄養クリームを靴に塗りつける際には布切れではじつはダメで、指で塗って、ブラシで刷り込む、というイメージが正しいと思います(個人の感想です)。布だとつけすぎになる傾向強し。

なので

こんなブラシもひととおり揃ってしまいました。それぞれに機能があって、たまげます。特に左端のブリストル(豚毛)。

各種クリームを塗りたくるうちに、このブラシでシャカシャカやるだけである程度ツヤが出てしまうほどになりました。ブラシも育つんですね〜。

さて、今回のレストアは言うまでもなくツヤ出しではなく、「保湿」が目的です。なので、上記のクリームを思い切りローファーに「充填」いたします。

まずは積年のワックス類を根こそぎ落とします。

これの出番。20年来の愛用品ですが、汚れ落とし、とラベルにはありますけれど、ワックスやクリーム落としです。近年ボトルデザインが変わった上に、500ccサイズがリリースされて助かっております。500サイズのみ、ボトルの注出方法も工夫されていて最高。

すっぴんに戻すと、うへえもはや限界か、というくらいに傷んでいてショックを受けますが、現実を受け入れることにして(爆)、ひたすら丁寧に拭き上げます。この工程のみ、布を使用します。

ヨレや切れなどがないのがせめてもの救いか。シューキーパーのおかげで変形も最小限ですが、ヒビ多数。革の乾燥を放置した結果です。

80年代のローファーはこのようにつま皮が短めで、足そのものを小さく見せるスタイルでした。いまだにバランスが良いと思います。

クリームは2本指にとって、塗りこむように塗布します。乾燥まで数十秒から数分ですから、そしたらブリストルのブラシで拭き上げる、を5、6回繰り返すうちに、靴に柔軟性が戻ってくるのがわかります。なんというわかりやすさ(爆)。

しっとりして、重みも増してきます(まじ)。

ヒビだけはどうにもなりませんけれど、それでもクリームの効果でマシになったか?ここのモカぬいはたしかリーガルトーキョーで直していただいたものです。靴のダメージが一番きやすいのがこの箇所ですね。ローファーの場合には縫い目が絡んでいる関係で、ほつれたのちに画像のように割れるわけね。

ツヤもこの通り。ギラギラが落ちて、ナチュラルな感じが戻りやした。

ううむ、これでおしまいか、と思いきや、さにあらず。

もったいないようですが、靴底にもクリームを塗りたくります。専用の木酢を使ったオイルでも良いのですが、デリケートクリームで十分以上。硬化したままの靴底は減りやすく、割れやすいので、是非ともしっとりするまで塗りたくるのがキモ。

じつはアッパーよりも、靴底のケアの方が履き心地と耐久性には効果ありとみました。

しばらく履かずにしまっておいた、などという靴を再度履きはじめる、なんてえときに靴底にオイルを塗るかどうかでレザーソールの寿命はガラリと変わります。ここキモっす! 

願わくばあと数年、というかこのまま保湿さえしておけば50年コース?


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。