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わたしのレコード棚ーブルース124 Big Joe Williams

2021年03月15日 | わたしのレコード棚
 ビッグ・ジョー・ウィリアムス(Big Joe Williams)は、本名Joseph Lee Williams。1903年10月16日ミシシッピー州Oktibbehaに生まれ、1982年12月17日に同州Maconで亡くなっている。1975年には来日して演奏もしている。この時わたしは高校生で、残念ながら公演は聴いていない。

 かなりな肥満体の人で、それが為に「ビッグ・ジョー」と言われたようだ。その太った体に無理やりギターを構えた姿が目に焼き付くブルースマンだ。その生涯は、放浪の繰り返えしで、各都市のジュークジョイントやクラブなど、さらには工事現場などでも演奏したという。そんな生活の中で、時に野宿をするようなこともあり、警察に追われて拘束される事もあったらしい。あの体でそんな生活を続けて、よく80歳近くまで生きて晩年まで演奏を続けられたものだ、と感心する。ブルースが聴かれなかった時代でも、したたかに演奏活動を続けた人だったのだ。

 演奏スタイルは、独自にギターヘッドに3個の穴を開けてペグを付け、無理やり9弦にしたギターを掻き鳴らすという、個性の強いものだった。活動歴は豊富で、1920年代の初め頃、というから20歳前後には「Rabit Foot Minstrels Review」というミンストレルショーに参加。1930年代になると、「The Birmingham Jug Band」のメンバーとしてオーケー(Okeh)レーベルに録音。1934年にセントルイスへ出て、1935年にブルーバードと契約。以降10年間ブルーバードへの吹き込みを続け、『Baby Please Don't Go』など後にスタンダードになった曲も多い。共演したミュージシャンも多く、ブルースハープのサニーボーイ#1、ギターのロバート・ナイトホーク、ピアノのピーティー・ウィートストローなど。さらに、10代だったマディーウォータースとも南部を旅回りしたという。


 TRUMPETレーベルのLP、AA-702『Delta Blues - 1951』。これはLPの裏面で、左側に写っている3人の中で、手前がウィリアムス。その奥、向かって左がウィリー・ディクソンで、右がメンフィス・スリム。A面に8曲、ウィリアムスの演奏が入っている。1951年ミシシッピーの州都ジャクソンでの録音。ウィリアムスは粗削りなデルタの特徴を持ち、それがブルースファンにとってはひとつの魅力になっている。が、我が家にある音源を聞いても、その魅力を捉え切れておらず、雑な演奏に聞こえるものが多い。その点、このLPに入っている演奏は、彼の優れた面を良く捉えていて、わたしの好きな1枚だ。


 ミシシッピ・フレッド・マクドウェル(写真右)、とのカップリングヴィデオYAZOOの504。写真に写っているギターのヘッドをよく見ると、糸巻が3個先端部分に増設されているのが確認できる。

 上のヴィデオからの映像。レコーディングデータが書かれていないので、この時の年齢は不明だが、かなり若く見える。

 1~3コースを複弦にしていると思っていたのだが、改めて映像をよく見直したところ、実際に複弦ににしているのは1・2・4コースのようだ。常にこの様なセッティングにしていたかは不明だが、これにより独自な音色が出ていたと推測される。


 別のヴィデオVESTAPOLレーベルの13016より。1972年BBC制作の映像となっている。公園のようなところで撮っていて、眼鏡をかけた好々爺といった感じ。


 ヴィデオ『Mississippi Delta Blues Festival 1984』。このブログを書いていて初めて気づいたのだが、ビッグ・ジョー・ウィリアムスは1982年に死んでいる。なので、1984年のフェスティヴァルに出ているのはおかしい。没年か、このヴィデオの表記のどちらかが間違っていることになる。そこで、インターネットでミシシッピー州Freedomvilleでの Blues Festival で検索したところ、開催されたのはで1978年10月21日だった。アメリカ製品のこうした表記ミスは珍しくない。このブログでも、生没年など複数の資料で異なる場合は、なるべく両方を併記するようにしているのは、その為である。さらに言えば、レコードなどの解説にも、この手の間違いが結構ある。思い込みで書いていると、思わぬ落とし穴に嵌まることもあるので、確認を重ねながら書くようにはしている。

 上のヴィデオからの映像で、75歳の時ということになるので晩年の映像になるが、それほどの衰えは感じさせない。

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