King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

カイル・イーストウッド

2005年05月24日 23時45分51秒 | 日々のこと
今日のテレビ欄に珍しい名前を発見。
もしかしたら、息子か。
『センチメンタルアドベンチャー』という聞きなれない映画名。
こんなの話題になったことあったけ。今や『ミリオンダラーベイビー』
の公開が待たれるクリントイーストウッドということで、テレビでも
ゆかりの作品をやっているのです。昨日は『ダーティファイター』で
これは好きな映画でしたが、別に録画してみるほどでもないと見送り
ました。しかし、今日のはなんとしてもみなくてはならい作品です。
そして、録画してさっき見ました。するとその映画の前にドンジョンソンが
出ているドラマをやっていました。懐かしい。私の好きな俳優です。
なんとなく私に顔も似ていると思っているのは私だけ?

さて、センチ…はこれは渋い映画でした。ネットの感想を拾ってみると
酷評されていました。しかし、そんじょそこらの洟垂れのガキにこの映画
は理解できないでしょう。この映画ににじむ味やアメリカをあらわす各
シチュエーションが。まあ見方としては、息子なんか出してという見方も
ありますが、このカイルこそがベタな素人臭こそがこの映画の味でもあり、
イーストウッドのぶっきらぼうの演技そのものなのです。アクションものなら
歯を噛みしめて眉間にしわを寄せるだけでいいのです。しかし、結核に
犯されながらそれでも酒や煙草をやめず、やることははちゃめちゃ。それでも
人々に愛され生きて行く。いや生きて行かなくてはいけない定め。それが
人間です。そういう人間ドラマ。
描かれるシーンは直接的ではありませんが、色々な示唆があるのです。
バスに遅れるイーストウッドがやっていたことは。登録証も免許証もない
車の意味は。おじいさんが全財産を掛けて行かなくてはいけなかった
メンフィスには。逃げ出したメイドがどんな働かされ方をしていたか。
ひとりで置いてきぼりにされたそのメイドがどんな旅をしてきたか。
100ドル貸しがある、当時の貨幣価値は。それらの事を全て考えてシーン裏側や
当時のアメリカを考えてもちろん現在のアメリカを考える必要があるのです。

今全米で大ヒット中のスターウォーズについてルーカスが語ったものに
民主主義の崩壊がテーマのひとつになっているというのがあります。まさに
今のアメリカは悪の帝国そのものという感じです。スターウォーズの共和国が
帝国に変わっていく様はアフガンやイラクに次々と戦争を仕掛けるブッシュに
だぶる物があります。そのアメリカを知るためには、イスラムの歴史やアラブの
歴史を知る必要があります。高々200年の国がモハメッドの子孫の国をどうこう
する資格があるのでしょうか。だいたい3000年前にユダヤの国だったという
理由で人のうちを戦車で踏み潰し入植してしまい、国連決議で出て行くように
決められても平然と居座り、ゲリラ的に抵抗するしかないパレスチナの人達を
テロリストとしてアメリカの敵と位置付けている世界観をあまりに我々は唯々諾々と
受け取りすぎてはいないでしょうか。

そんな事を考えながら、こんなはちゃめちゃな人生のシンガーの話から考えたの
でした。
コメント
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