King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

今月の季節のブレンドは

2016年11月01日 13時40分41秒 | 珈琲
今月の季節のブレンドは『木枯らし』です。

深く落ちついたブレンドです。

この深く奥行きのある味にするには、完全な調和を
生み出したときに、ほっこりと身をゆだねた気分に
なれるのです。

先月は、落ち着いて静かになった気分が、底辺で
弾む感じを持っていましたが、この年末までのひと時には
来年のために葉を枯らす木々に季節を知らせる木枯らしの
ように次の準備を促すのです。

それは気分を沈め調和のとれた輪のようなイメージで
広がって心の隅々まで広がります。

その静まったところで穏やかな心の中を眺め返すもよし、
調和の輪の具合を点検するもよし、さらにまあるい心地を
広げてみるもよしです。

さわやかな風のような香りを持ち、後味もよい仕上がりです。

よい珈琲の後味は清涼感がのどに残り、スーッとするミントの
ような心地よさがあります。

この香りから、後味までが珈琲の物語であり、ひとつも欠けては
ならないものです。

もはや酸味や甘みや苦みといった言葉ではかたれないところに
あります。

漫画『神の雫』でワインを表現するのと同じです。イメージが
次々と湧き出て一口一口でそれが広がり後味に完結します。

例えばモカなら昔懐かしい、筆箱の中の匂いと図書館の本と
ノートの匂いです。

また、グアテマラもこれに近いかおりですが、金魚の水槽のような
薫りも交じります。これらの様々なイメージをもたらすものは
匂い化合物とされる糖類とアミノ酸の化合物によります。

バニラやバラ、果実感、醤油や小麦が焼けた時の匂いまで様々な
物質が同定されています。

それらからもたらされるイメージが次々に広がるのが珈琲の
魅力のひとつなのです。

そして、季節が冬へと移る今の季節にこの味を選びました。

お楽しみください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする