このブログにテレビで放送された砂の惑星デューンの感想を書いたのが三年前でした。先日007の新作を見て多くの予告編を見ましたが、その中についに新作の砂の惑星デューンもあったのです。映画の見方も公開のされ方も変わるこの頃ですが、この映画だけは映画館で見るべき映画だといいます。さてどんな出来で前作とどこが違うのか気になります。
珈琲の世界はブラジルでは旱魃で高値どまりという状況ですが、ベトナムでは雨が多くて不作という全く逆な状況で世界の一位二位の国が気象変動で満足な収量が確保できない中、他の産地の珈琲も本来の品質になっていないところも目立っています。
実はブラジルサントスNO2はここ数年凄く味がよく値段も安かったのです。さらに昨年は豊作でもあり、農家に入る金は低くなりましたが、我々消費者は満足度が高く幸福な時期でした。とはいえそれを感じていた人は世界にどれだけいるのでしょうか。まして、日本でこのサントスNO2を飲んで味を知っている人とそれをいつも愛飲している人がいるかというとこれはもう絶望的数字でしょう。ところがネットを検索してみると私が周りで知る情報ではその気配もないのですが、大阪の喫茶店ではメニューにれっきとしたサントスNO2というものがある店もあるのです。それが今ではSNSで投稿している人がいて秩父の田舎にいても知れてしまう世界です。
そんなことが世界中で行われていてSNSで人気のすし屋にそのビジュワルとスタイルだけでなんと世界からその店に寿司を食うためだけにやってくるのだとか。
つまりは自分もその有名のすし屋のカウンターに座りSNSのスターに会ったと投稿するためだけに時間と金をかけやってくるのです。その寿司屋が作る寿司の世界とか味とかではないのです。まあ似たことは昔からあり、わざわざ何万キロも離れた地からあこがれの店に通う話やレストランで食事する話やあこがれの人に会うために何万キロ旅をする話は聞いてきました。
多く人に支持されること。多く人がそう信じることがホモサピエンスの才能なのです。つまり強力な武器や軍隊を持つものが最強なのではなく、誰もが信じて支持する物語を持っているかが世の中の最強者なのです。最近、この理論は本にもなり広く知られるようになりました。ゲームオブスローンズの台詞にも出てきます。王になるために必要なのは血筋とか家柄とか軍隊とか家来とかではなくどれだけ強力な物語を持っているかなのだと。ブラジルサントスNO2はそんな誰もが信じる強力な力も誰もを虜にする魅力があるわけでもありませんが、珈琲通や焙煎業者はこの味をひたすら追求します。
セミウォシュドのブラジルの豆は焼くのは難しく、本来のブラジルの味をだすのもぶれずに不変のブラジルサントスNO2を焼き続けるのも技術と熟練がいります。つまりは蕎麦屋と同じで日々の温度や湿度や重力変化などのファクターの変化と保管した豆の状況と常に変化する中、ぶれずに同じ味に仕上げるという決意と努力を怠らない姿勢がその職人にあるかどうかということです。実際には大きな窯で焼くと細かいファクターはあまり関係なくなり、大手コーヒーメーカーの味がいつも同じ味なのと同様下手をするとどの国の豆もどの種類も似たような味という結果になっています。
一方自家焙煎業者は日々焼いていて今年の豆と昨年の豆、さらに仕入れる会社によりどう変わるかも体験していてその中で真のサントスの味を求めたりします。ただ、SNSで人気のすし屋のようにその焙煎業者の豆を世界からの見に来るかといえばそれはない話です。さらに味を求めて豆を買う人も実は少ないのです。ですが、ネット上の有名コーヒー屋は多々あり、どこもネット通販をしていてそれぞれにお客もいます。ただ、なかには当店にきてはじめて世にいうスペシャルティの花の香りやフルーツの味の意味を知ったという人もいるのです。ですからまったく味をひたすらもとめるひとが皆無ではないのです。そんなこともあるので私が豆を売る意義とか毎月季節のブレンドを出す意味もあるわけで今日も焙煎をしています。
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