King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

夏に問う珈琲の味

2021年08月06日 10時40分30秒 | 珈琲

今月のブレンドは百夏です。

ただ、このブレンドにたどり着くまでの重ねた思いや味のストーリーは

簡単ではなく、夏だからとアイスコーヒーを求めてくる方やそのアイスにしろ

何をどうしたものかというものが定まっておらず、色々と逡巡が重なって夏は

堂々巡りの日々でした。

 

ですが、気が付けばやはり変わらぬものにたどり着き、味の談義も落ち着いたのです。

 

ブレンドの味も夕焼けをめぐる視点の置き方や自分の意識の変化やそれはむしろ

人生や人としての成長でもあり悟りのひとつ大悟小悟のひとつでもあります。

 

それでもやってくるお客様は相変わらず酸味のないコーヒーをという人もいますし、

スーパーで売っている真っ黒いアイスコーヒー用の豆を求める人もいます。

 

当店の今月のブレンドがいかにして本来のブレンドになっているのか説明をするのも

これまで経た変遷や悟りの数々を披露するのもいいですが、簡単に珈琲コーナーにあるチャートを

否定するにとどめる程度でもいいでしょう。

 

一番は飲んでいただいて理解を深めていただければいいのです。

 

最近は店頭でサントスのアイスを飲んでもらうこともあります。

今まではアイス用の豆を深煎りにして作っていたものです。しかし、普段のサントスも

アイスにしてもこういう味ですよというので最近は使います。

それはいつも飲むやはりサントスなのです。

アイスにしても甘みがあり、薫り高くサントスの特徴もでています。

 

別に普段はアイスコーヒーは飲まないのですが、夏場のカフェは避難所ですから

おいしいコーヒーを求めていくところでもないでしょう。昔入り浸った喫茶店も

どんどん数を減らしています。そうすると何かそれをもとめてみたいくなったりも

してしまうのです。

 

仕事があり、夏でも避難所として涼む場所として逃げ込むところであり、珈琲でほっと

できるところでもある、そしてこころには思い出のアイスコーヒーの日々があり、

そんな連綿としたものがみんないつかは思い出になり、懐かしく思いだしたりするのです。

 

ですが、味というものは思い出として強烈にあるものの日々、あの味を知ってしまったために今まで満足していたものでは我慢できなくなることもあるから厄介なのです。

 

刑事ドラマの定番の台詞として相変わらず署のコーヒーはまずいというのがあります。

最近はカプセルのコーヒーメーカーを使っているのをみます。

あのカプセルも大手ネスレのものはインスタントコーヒーです。町の喫茶店も最近

あの機械を使っている店が増えました。一台でエスプレッソからカフェラテまで

作れるからです。

 

町の喫茶店では偏屈なオヤジがサイフォンで淹れていたり自分で作った陶器のドリッパーだったり手作りのネルで淹れてほしいものです。

 

まあ何を使って淹れているかでお店のコーヒーもどんなものか理解できます。

 

カプセルを喜ぶお客も店もどんな人たちか解ります。

 

当店に来て酸味が苦手でという人たちもどんなコーヒーを飲んでいるか解ってしまいます。

時々にその話はしているので最近ではどんな珈琲をお望みか聞いても酸味が苦手でと

いう方は減ってきましたが、やはり大概は酸味が嫌いという話は聞く羽目になります。酸味が嫌いでじゃあどういうのがおいしいコーヒーなのかというとそれは答えられないという人たちは自分でも答えられないものを当店に求めてくるのです。

 

それを教えてあげるのも何がおいしいのかも実は簡単です。

それでもそうだったのかと納得されるかそれともがっかりするかは本人次第であり、

だからこそ先の夕焼けや夕映えの話もしなくてはならないのです。

 


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