金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

57:絲山秋子 『逃亡くそたわけ』

2007-04-30 18:40:15 | 07 本の感想
絲山秋子『逃亡くそたわけ』(中央公論新社)
★★★☆☆

気弱な「なごやん」を巻き込んで、精神病院から脱走、
幻聴と幻覚に悩まされながら、逃亡の旅に出た「あたし」。

あらすじを説明しようとしたらそれだけで終わってしまい、
あとは九州の名所と九州名物が次々に出てくる観光案内?
……という感じなのだけれど、退屈させずに読ませる。
地元を愛する「あたし」と、出身地名古屋を嫌う
東京至上主義のなごやんの会話が楽しい。
パスコだとか、名東区極楽だとか、名古屋文化圏の人間なら
思わずにやりと笑ってしまうことうけあい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

56:ジャクリーン・ウィルソン 『ガールズ・イン・ティアーズ』

2007-04-30 13:47:14 | 07 本の感想
ジャクリーン・ウィルソン『ガールズ・イン・ティアーズ―涙がとまらない』(理論社)
★★★★★

シリーズ最終巻。
友だち、家族、恋人、周囲の人々のいやなところがむき出し。
嫉妬や優越意識ゆえに各人の意地悪心が炸裂。
ナディーンやマグダとは絶交、
パパとアンナの間はぎくしゃくしてるし、
ラッセルの「小さい男」っぷりも見えてきて、
次々と起こる衝突に涙にくれるエリー。

友だちの本音が見えてショックを受けたり、
恋人のことを「この人、つまんない人だなぁ……」と
思ってしまってもやもやしたり、
話としては中学生ライフなのだけど
あるなぁわかるなぁと思うところがたくさん。
しかしエリー……それでもラッセルが好きなんだ
恋は盲目なり。
そしてあいかわらず懲りないナディーン。

あこがれの君の優しさとお父さんとの語らいに
思わず涙が出てしまいました
このシリーズ、イギリスで連続ドラマ化されていたとのこと。
見たーい!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする