金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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52:椰月美智子 『しずかな日々』

2007-04-11 20:50:33 | 07 本の感想
椰月美智子『しずかな日々』(講談社)
★★★☆☆

イモリのしっぽ」がよかったので借りてきました。

母子家庭に育ち、イジメにあうこともない代わりに
友だちもいなかった小学生の光輝。
新しいクラスで初めてできた友達・押野との出会いを
きっかけにして楽しい日々を送っていたが、
母の仕事のために転校しなければならないことに。
楽しい日々をどうしても手放したくない光輝は、
担任の先生の口添えで、母と離れ、
疎遠だった祖父といっしょに暮らすことになる。

最初は「湯本香樹実っぽいな」と思って読んでいたのだけど、
どうしてなかなか。
繊細な感情のゆらぎを丁寧に描いていて、
ラストではちょっと切なくなってしまった。
タイトル通り、本当に静かな日々を淡々と描いているので
好き嫌いは分かれそうだけれど、わたしは好き。
「大きくなったらモテそうな男の子」というのに弱いわたし
十二歳」で気になった大人目線も、
大人になった主人公の回想という形をとっているために
気にならなかった。
この著者の、中高生くらいの女の子を主人公にした話を
読みたい……

コメント (1)
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