金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

2007年版 年末のひとり遊び

2007-12-31 12:53:15 | 1年のまとめ
昨日でようやく仕事おさめでした。
今年も今日で終わり。
怒涛の一年でありました。

仕事量が倍増して、このわたしがワーカホリック気味(!)。
本も読めずに、休みたい休みたいとばかり思っていたら、
神様がよけいな気を回してくれたのでしょうか?

解雇されることになりました

職場の方針転換により、その事業のメンバーは全員解雇!!
というとんでもない展開に、ここ3ヶ月くらいぼんやり……
なにがどうなるかさっぱりわからないので
あまり悲壮感もないのですが、前向きにがんばります。

それでは今年も、読んだ本のジャンル別ベスト3を決めるという
自分ひとりだけが楽しい作業をやってみます。
文学的な価値だとかレベルだとかはまったく関係なく、
単純にわたしの好み度ランキングです。
仕事のために読んだ本をのぞくと、今年読んだのは135冊。
全然読めなかったなあ……。

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【一般小説】

①酒見賢一『陋巷に在り』シリーズ
②瀬戸内寂聴『女人源氏物語
③川上弘美『ニシノユキヒコの恋と冒険

『陋巷に在り』は文句なしの第一位
しかしやっぱり量を読んでいないので、
ニ位以降は強いてあげれば……という感じ。
浅田次郎『中原の虹』はおもしろかったのだけど、
まだ最終巻まで読んでいないので除外しました。

【随筆】
①武田百合子『富士日記
②金子由紀子『持たない暮らし

『富士日記』は文句なしで第一位
『持たない暮らし』はエッセイでも日記でもないのだけど、
新書系でもないのでこちらに。
生活を変えた点で、インパクトは大。

【新書系】

①斉藤光政『偽書「東日流(つがる)外三郡誌」事件
②大宮知信『スキャンダル戦後美術史
③高橋英夫『友情の文学誌

仕事で新書を読むのが本当につらかった……
でも意外にも後から「よかった、おもしろかった!」と
思う本は新書系に多かったです。

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ちっとも更新しないブログでしたが、
ご訪問くださっているみなさま、今年もお世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします


コメント (3)
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135:衛慧 『上海ベイビー』

2007-12-31 12:08:05 | 07 本の感想
衛慧『上海ベイビー (文春文庫)
★★★★☆

上海に住む25歳の作家ココは、アルバイト先で出会った
美しい青年・天天と恋に落ち、親の反対を押し切り
彼と同棲をはじめる。
繊細な天天と深く愛し合うココだが、
天天は母親との関係が原因で性的な欠陥を抱え、
ドラッグにおぼれていく。
満たされない思いを抱いたココは、
裕福なビジネスマンであるドイツ人男性と関係を結んでしまい、
天天を破滅へ追いやっていくことになる。

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再読。
オビによると購入したのは2002年。
「中国で発禁処分を受けた」というのがウリで、当時は
「この程度で発禁処分とは……
 そう考えると日本ってなんでもアリの国だなあ」
というくらいの印象しかなかったのだけど、
5年ぶりに読み返したらまたちがう印象。
主人公があまりにも自己肯定的で、
客観的に見てどうなのよ?という感じなのだけれど、
天天を愛する気持ちや彼に対する無力感は
理解できる気がしてちょっとせつない。
西洋と東洋の交じり合う上海の風俗も魅力的。

うんざりするくらい出てくる美しい詩的表現や
キャラクター造型なんかは桜井亜美を思わせる。


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134:村上龍 『69(シクスティナイン) 』

2007-12-31 11:38:22 | 07 本の感想
村上龍『69(シクスティナイン) (集英社文庫)
★★★☆☆

学園闘争も終焉しつつある時代、
佐世保に生きる高校生ケンは、
美少女の気を引きたいがためだけに
学校のバリケード封鎖までやって、
退学になるやらならないやら。
熱気にあふれた1969年の青春を描く
村上龍の自伝的小説。

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妻夫木聡主演で映画化もされていましたね。
1969年なんてわたしの生まれる10年前なので、
個人的には懐かしさなど感じようがないのだけど、
米軍基地のある街でむやみやたらと爆発している
高校生たちのエネルギーが「遠い」。
こんな暴力教師もいなければ、
思想もエネルギーもない時代に生きているものね。


「~というのは嘘で」のフレーズの連発も、
高校生らしくて、主人公のキャラクターや物語の雰囲気を
形成するのにうまく作用している。
コミカルでポップ、スピード感のある物語で
村上龍に対するイメージが変わりましたわ。


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