金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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133:島本理生 『大きな熊が来る前に、おやすみ。 』

2007-12-26 15:07:05 | 07 本の感想
島本理生『大きな熊が来る前に、おやすみ。』(新潮社)
★★★☆☆

【収録作品】
「大きな熊が来る前に、お休み。」
「クロコダイルの午睡」
「猫と君のとなり」

父親や恋人の暴力をトラウマとして抱え、
恋に踏み出そうとする女の子たちの物語。
暴力描写は表面的なのだけど、苦手なので
この程度でもかなり重い気分……
ほか二編は特にどうということもなかったのだけど、
「クロコダイルの午睡」はわりと新鮮な感じ。
恵まれた環境ゆえに、無邪気に無神経に人を傷つける男に
苦手意識を持ちながらも惹かれる主人公。
その恋心があったから余計に憎悪が募っちゃうのね~。

体臭のなさそうな、少女漫画チックな男の子の書き方は
嫌いじゃないし、支持されるのもわかるのだけど、
『メッタ斬り!!』を読んだあとなので、
文章の随所に見られる「ワキの甘さ」が
気になってしまいました……。

コメント
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