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山内マリコ『
あのこは貴族
』(集英社)
★★★☆☆3.5
【Amazonの内容紹介】
地方生まれの美紀と東京生まれの華子。
アラサー女子たちの葛藤と成長を描く、山内マリコの最新長編!
「苦労してないって、人としてダメですよね」――東京生まれの箱入り娘、華子。
「自分はお話にもならない辺鄙な場所に生まれ、ただわけもわからず上京してきた、
まったくの部外者なのだ」――地方生まれ東京在住OL、美紀。
東京生まれの華子は、箱入り娘として何不自由なく育てられたが、
20代後半で恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされてしまう。
名門女子校の同級生が次々に結婚するなか、焦ってお見合いを重ねた末に、
ハンサムな弁護士「青木幸一郎」と出会う。
一方、東京で働く美紀は地方生まれの上京組。
猛勉強の末に慶應大学に入るも金欠で中退し、一時は夜の世界も経験した。
32歳で恋人ナシ、腐れ縁の「幸一郎」とのダラダラした関係に悩み中。
境遇が全く違って出会うはずのなかったふたりの女。
同じ男をきっかけに彼女たちが巡り合うとき、それぞれ思いもよらない世界が拓けて――。
結婚をめぐる女たちの葛藤と解放を描く、渾身の長編小説。
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初めての作家さん。
確か、雑誌で紹介されているのを見て読もうと思ったんじゃなかったかな。
林真理子っぽい、と思ったのは、推薦文が彼女のものだったから?
女同士の義理だとか、女たちは分断されている、という話は面白かったが、
それをしゃべっている部分が、なんだか小説というより、
登場人物の口を借りた説明文といった感じで興をそがれた。
そして、ふたりが邂逅して語り合い、
結婚式で意地悪い仕込みをしたところで終わっていれば
楽しく読み終えることができたのだが、その後はやや失速。
しかし、今まで読んだことがない関係の切り取り方で、新鮮だった。
他の著作も読んでみたい。
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