金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

26:永井紗耶子 『帝都東京華族少女』

2017-02-06 19:37:06 | 17 本の感想
永井紗耶子『帝都東京華族少女』(幻冬舎文庫)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

明治三十九年の東京。
千武男爵家の令嬢・斗輝子は、
住み込みの書生たちをからかって遊ぶのが楽しみだが、
なぜか帝大生の影森にだけは、馬鹿にされっぱなしだ。
そんな二人が参加した夜会で、殺人事件が起きた。
嫌疑がかけられたのは、斗輝子の祖父・総八郎。
影森と斗輝子は、総八郎の疑いを晴らそうとするが——。
異色コンビが活躍する爽快&傑作ミステリ!

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初めての作家さん。
お転婆ヒロインと斜に構えた相手役という組み合わせは
ライト文芸によくある感じ。
実行犯については比較的早い段階で目星がついたものの、
その背景はかなり意外だった。

「異色コンビ」というほど、二人が進行上重要な役割を果たしているわけでもなく、
コンビとして味があるわけでもなく、
二人ともじいさんの手のひらの上で転がされているのみ。
ヒロインと相手役のキャラクターとか関係性はまったく好みではないけれど、
次々に新事実が明らかになる終盤は、楽しめた。
伏線回収も美しい。


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25:瀧羽麻子 『左京区七夕通東入ル』

2017-02-06 14:55:44 | 17 本の感想
瀧羽麻子『左京区七夕通東入ル』(小学館)
★★★☆☆2.5

【Amazonの内容紹介】

七月七日にわたしたちは出会った——。
京都での学生生活も4年目。
主人公の花は思いがけないことをきっかけに、
友人のアリサから合コンに誘われる。
三条木屋町の店にひとり遅れて現れた男子は、
その場にそぐわない一風変わった雰囲気の持ち主だった。
名前は龍彦だという。
「たっくんて呼んでいい?」「いいよ」。
文学部で数学嫌いの花にとって、理学部数学科のたっくんは謎に満ちていて、
また彼の暮らす学生寮の友人たちもどこかキテレツな理系男子で、
花はこれまで経験しなかった不可思議でにぎやかなキャンパスライフを

送ることになるのだが……。
いま注目の若手女性作家・瀧羽麻子が、京都を舞台に
のびやかに描いた青春キャンパス・ラブストーリー。

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『左京区恋月橋渡ル』からのつながりで読んでみたけど、
こちらははっきり、自分には合わなかった。

京大生同士の恋愛というところが面白そうだと思ったんだけど、

「京大生だけど、おしゃれでクラブなんかにも行ってるリア充な私、
 ダサい男の子たちとも仲良くなれちゃう☆」

という感じであった……。
バイト先の話やら卒業旅行のくだりなんかは、本当に必要だったんだろうか。
肝心の恋愛要素がなんだかぼやけていて、
相手役のたっくんの存在感があまりなく、
ヒロインの恋愛感情もあまり感じられなかった。
ライバルか? と思わせて登場した女性だとか、
「実はお前のことが好きだった」な男友達とか、
20年くらい前のドラマによくあったな~。


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