金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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歴史秘話ヒストリア 6月12日放送分

2019-06-12 23:24:33 | その他(ドラマ・アニメ・落語)レビュー
週に45分間、大河ドラマしかテレビを見ないのだけど、
めずらしくそれ以外を視聴。

更級日記がテーマだっていうから、
定家が出て来るんじゃないかと思って。

予想通り、定家は出てきた。
というか、本文の引用を
定家が書き写したものでやっていたから、
定家の字は出ずっぱりだった。
あとは、

・定家が書き写して、菅原孝標女を
 『夜半の寝覚め』等の作者だと注釈を入れている

・菅原孝標女が書いたと言われる『浜松中納言物語』と
 同じテーマで定家と三島由紀夫が物語を書いた

と言及されていた。

番組の中心テーマは、
「どうして菅原孝標女は作家として活躍していたのに、
 『更級日記』にそれを書かなかったのか」
というもの。

番組としてのアンサーは、
「東宮の乳母になりたいと野心を抱いたものの、
 帝の急死で夢破れ、大好きな物語を
 出世の道具に使ったことを後悔したから」。

まったく納得できない……。
「物語を出世の道具に使ったこと」って、
当時の感覚としては当たり前のことで、
罪悪感を抱くようなことではなかったんじゃないのかな~。

まず、定家の注釈が事実であるという前提で話を進めているけど、
菅原孝標女のその後の人生について何の記録も残っていないわけだし、
彼女の生きた時代から定家の時代の間には
100年以上の隔たりがあるんだよね。
伝承としてそうなってただけで、作者じゃなかったのでは??
『松浦宮物語』の作者も、
「定家かなあ??」くらいの位置づけだよね。
こちらはおそらく同年代に成立したのであろう
無名草子で定家作と言及されているけども。

作家だったら、絶対日記や回想録に書くって!!
「もうすぐ完成しそう!」とか、
「酷評された、マジでムカつく」とか。

コメント
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