金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

80:村上しいこ 『うたうとは小さないのちひろいあげ』

2019-06-04 12:21:53 | 19 本の感想
村上しいこ『うたうとは小さないのちひろいあげ』(講談社)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

高校1年生になった桃子は思いがけなく、
短歌を詠む「うた部」に入部する。
でも、不登校になったままの親友の綾美に対して
部活のことを言い出せない。
そればかりか、高校で友達は作らないという
宣言までしてしまう。
中学時代に起きたある事件に負い目を感じてのことだった。
そんなある日の放課後、
うた部で短歌甲子園に出場しようという話が持ち上がって―。

*********************************************

シリーズ3作目の一部を仕事で読んだことがあって、
合わなさそうだ……と思っていたのだけど、
シリーズ1冊目のこれは思いがけず良かった。

誰の発言かわからないセリフが多いとか、
彩が「役割」のためだけに存在している感が強いとか、
気になる点もいくつかあるんだけど、
メインのストーリーである主人公とその親友の立ち直りに関しては
非常に自然に、なおかつ感動的に描かれていた。
終盤では涙ぐんでしまうところもあった。
過去に関する謎が初めの段階で仕込んであって
興味を引きつけることに成功しているし、
うた部の先輩たちのキャラクターも楽しい。
(清らの初登場時には「なんだこいつ……」と思ったけど)
いと先輩が好き。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おでかけの記13:風俗博物館 @京都

2019-06-04 08:13:05 | おでかけの記


いろいろと誤解を招きそうな名称だけど、
源氏物語に関する博物館だからね!!

6-7月の2か月は展示入れ替えのために休館するとのことだったので、
休みに入る前に! と思って見に行った。

法衣や装束を作っている会社「井筒」が
設立したものらしい。
場所は西本願寺の西側。
井筒ビルの5階にあるんだけど、
表に存在アピールする看板なんかがなくて
見落としてうろうろするはめに……。

源氏物語の六条邸をジオラマで再現してあるんだけど、
源氏物語ファンはもちろんだけど、
平安時代を舞台にした漫画を描いている人、
歴史ものの小説を書いている人にとっては
めちゃくちゃ役立つんじゃないんだろうか。
実際、写真を撮りまくっている人もいた。


伏籠とか、絵で見たことはあっても、
こうやって再現しないと
人体や部屋に対する大きさはよくわからないものね。

十二単のかさねの色目とか、重ね着したときの厚みとか
実物で見るのと絵で見るのとではちがう。




御簾って、人がいることはわかるけど、
本当に顔は見えないんだな。


蹴鞠してる。


ほどけた靴紐を結びなおしてあげてる。


梨を塩漬けにして食べていたらしい。
意匠だけじゃなく、食べ物や儀式についての解説も豊富。
もらえるパンフレットにも説明がぎっしり。


大盤所。
やっぱり前髪アップにすることはあったのね。


本当に水が流れてる。


柏木が女三の宮を目撃するシーンも
再現されていた。




竹取物語のシーンもあった。


奈良~江戸の宮中衣装に関しては
大きな人形で再現されていた。
重力に逆らったおすべらかし。

ビルの1フロアだけだけど、めちゃくちゃ充実した内容なので
平安好きにはおすすめ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする