金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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90:村上しいこ 『空はいまぼくらふたりを中心に』

2019-06-19 07:28:46 | 19 本の感想
村上しいこ『空はいまぼくらふたりを中心に
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

新年度が始まり、部員が増えた「うた部」では
「今年こそ短歌甲子園出場!」とみんなの目標がひとつになる。
クラスが落ち着いた五月、転校生がやってきて、
業平に中学時代の記憶が蘇る。
それは仲がよかったのに急に話をしなくなった「トキ」だった。
野間児童文芸賞受賞作『うたうとは小さないのちひろいあげ』の続編!

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3部作の2作目。
今回は業平先輩が主役。
他者から見ると理屈っぽくとんがっていた彼も、
自分が主役になるとなんかフツーの男の子になっちゃうね……。

1作目でキャラクターへの愛着は育っているし、
読んでいて楽しいのだけど、
2作目のこれはなんだか散漫な印象。
トキのエピソードが、主軸に絡んでいないんだ。
いや、「言い訳をしている」という点で
トキと業平のエピソードはリンクしているんだけど、
「うた部」の活動と恋愛、トキの問題が
つながっている感が薄く、まとまりなく見えてしまう。
「実はたいして清らのこと好きじゃないよね?」
という様子なのに、後半が恋愛主軸で進むので
そこも入り込めなかったところ。
痴話げんかを大会に持ち込むなよ……。

思わず笑っちゃうところや、いいセリフもあったんだけどね。

短歌には、だんだん慣れてきて、
「こっちのほうが評価がいいな」
というのが予想できるようになってきた。
やはりたくさんのものに触れることが必要なんだろう。

コメント
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