久しぶりの徳川美術館。
今回のお目当ては、この「書は語る」展。
天皇や公家、武家を初め、絵師の絵短冊や
近代の文豪たちのものまで、
さまざまな懐紙や短冊を取り揃えている。
歴史上の有名人だけじゃなく、
イベントで提出したのであろう公家たちのものや
江戸幕府の役人たちの自筆もあり、結構なボリューム。
一人一人の名は知らなくても、
飛鳥井とか裏辻とか、
知っている家の名がいくつも見えるとうれしい。
意外だったのは、小野於通の書で、
思ったより雑というか、
大ぶりな文字で繊細な感じがなかった。
明治政府の要人たちの書もあって、
大久保利通や井上馨、岩倉具視や三条実美のものが
並べられている。
公家の出の人間と元・田舎の下級武士が
いっしょに政治をやっていくのは
相当大変なことだと、書を見て思った。
「中級公家」みたいな言い方をしても、
やっぱり生活に溶け込んだ文化とか教養みたいなものは
全然違ったのだろう。
谷崎潤一郎の短冊は、真っ赤な地に金の散ったもので、
とても「らしい」。
美術館を見たあとは、徳川園へ。
前に来たときは、さわやかで素敵な庭だ……と
思ったんだけど、水をふんだんに使った庭は
冬だと寒々しいばかり。
牡丹コーナーができていたけど、
ひとつひとつ防寒のためのテントがつけられていて
なんだかおもしろい。
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