金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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241:穂波晴野『吉祥寺うつわ処 漆芸家・棗芽清乃の事件手帖』

2024-12-17 08:23:52 | 24 本の感想
穂波晴野『吉祥寺うつわ処 漆芸家・棗芽清乃の事件手帖』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
研究用の貴重な美術品を割ったという、あらぬ疑いをかけられて
大学で浮いてしまった女子大生・花岬麻冬(ルビ:はなさきまふゆ)。
そんな失意の彼女が吉祥寺で出会った
漆芸家・棗芽清乃(ルビ:なつめきよの)。
「あなたには、あなたにとっての真実があるのでしょう、
それを歪めてはいけません」
麻冬の事情を知り、そう語りかける清乃は
まるで見てきたかのようにその真相を解き明かしていくが、
彼女の力はそれだけではなかった――。
がけっぷち女子大生&美しき漆芸家が贈る、心温まる陶芸ミステリー。
 
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清野さんの素敵さは登場時から一貫しているし、好きな題材。
それだけで作品に好感が持てるのだけども、
全体を通して、主人公をはじめとする登場人物の思考回路や他者との距離感に
首をひねることばかり。
ストーリーの都合でキャラクターが動いているからなのか、
いちいち「なんでそうなる?」という違和感が生じてしまう。
 
作者さんの語彙や表現の豊かさが、
一人称で語る主人公のキャラクターと齟齬をきたして、
ちぐはぐな印象になってしまっているのも、もったいない。
 
無理にミステリーにしなくても素敵なお話が書ける方なんじゃないかなと思うので、
別の作品が出たら読んでみたい。
 
コメント
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