金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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19:佐倉色 『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』

2019-01-14 14:39:49 | 19 本の感想
佐倉色 『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』(飛鳥新社)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

ものづくりに携わる人の「転ばぬ先の杖」になりますように…
2016年、ネットを騒然とさせた
“無償で1600枚の読者全員プレゼント色紙作成事件”。
データ紛失、約束反故、ありえないネタバレ、ネットでの中傷…
新人作家を襲った信じられない出来事の顛末一部始終を赤裸々に描きます。

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前にTwitterで話題になっていたな……と思って読んだのだけど、
あれからもう結構たってるのね。

作者さんが優しすぎるというか、
自分を苦しめている編集者を
「これから結婚するのに減給されたり左遷されたりしたら
 ご家族が気の毒」
と気遣うのが、もどかしい。
そういう気遣う心に、つけこまれてしまうんだろうな。

わたしは漫画家ではないけれども、
読みながら精神をゴリゴリ削られていくようでつらかった。
窓口が担当編集のみ、しかも業界について詳しくなければ
「これが普通、業界の常識です」と言われて
押し切られてしまう……というのはあるあるだと思った。
自分と担当編集の2人だけの閉じた世界で、
客観的な視点が入ることなく、どんどん追い詰められていく状況も
とてもよくわかる。
家族や友人に話したところで、同業じゃなければ
言われていることやられていることの
本当の是非は判断できないと思ってしまうのだ。
そして、自分だけが窓口ならバレないと思って
自分のミスを嘘でカバーしようとするような人は
出版業界に限らずあちこちにいるにちがいない。


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