小川哲『君が手にするはずだった黄金について』
★★★★☆3.5
【Amazonの内容紹介】
才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは
「承認欲求のなれの果て」。
認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの?
認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの?
青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、
ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。
著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。
彼らはどこまで嘘をついているのか?
いや、噓を物語にする「僕」は、彼らと一体何が違うというのか?
いま注目を集める直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!
****************************************
先輩から借りた本。
タイトルだけ知っていたのだけど、予想していた内容とはずいぶん 違った。
主人公が作家だというのもあって、
「本当は俺が手にするはずだった名声を、あいつが手にした! 許せない!!」
みたいなドロドロとした嫉妬と焦燥に満ちた小説なのかと思っていたのだけども、
意外や意外、「主人公が作家である」という設定にはあまり重きをおいておらず、
読み心地は軽くさらりとしている。
人生において同じ部分に存在しているのかもしれない。」
情報商材を売って問題になっていた旧友と、炎上した漫画家についての話が
特に面白かった。
37ページ
「もしかしたら、僕にとって小説を書くことと、美梨と会うことは、
140ページ
「何もかもがうまくいって摩擦のない人生に創作は必要ない。」
この二カ所も印象的だった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます