金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

109:吉田修一 『初恋温泉』

2008-11-14 00:23:15 | 08 本の感想
吉田修一『初恋温泉』(集英社)
★★★☆☆

温泉宿を訪れた5組の男女のそれぞれの物語。
夫婦関係の破綻を描く「初恋温泉」「風来温泉」は、
「夫」や「男」の悲しさに胸をつかれる。
吉田修一、恋人同士の関係を描いた話はそうでもないのだけど、
夫婦を描いた話にはこういうやりきれなさを感じることが
多い気がする。

「純情温泉」は高校生カップルのお話で、
「Water」に通じる明るい青春もの。
女の子といちゃいちゃしているときに
部屋に入ってきてしまったお父さんの狼狽ぶりがおかしい。
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108:吉田修一 『女たちは二度遊ぶ』

2008-11-13 11:25:44 | 08 本の感想
吉田修一『女たちは二度遊ぶ』(角川書店)
★★★☆☆

久しぶりの吉田修一。

それぞれに関わった男から見た、
不可解な十一人の女の姿を描く短編集。
最後の「ゴシップ雑誌を読む女」の途中で、
なんかデジャブが……と思ったら、
「野性時代」掲載時にちらっと読んでいたのでした。
「最初の妻」は中学生を主人公にした話で、
これがいちばんインパクトがあった。
苦しい

『7月24日通り』で(作品のしての好き嫌いはともかく)
吉田修一の「女のことを見破ってる」感じを
おそろしく感じたものだけれど、
男視点でも女視点でも、この人の作品には
女に対する妄想というか、「男のロマン」的願望が
感じられないので、登場する女性に対して
まったくといっていいほど違和感を感じない。
そこがよい。
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107:小谷野敦 『恋愛の超克』

2008-11-12 14:44:00 | 08 本の感想
小谷野敦『恋愛の超克』(角川書店)
★★★☆☆

風邪で扁桃腺が腫れまくり、ダウンしてます

さて、「もてない男」がおもしろかったので
借りてきた小谷野敦。
中身はなかなかに堅い内容であるにもかかわらず、
表紙が女性向け恋愛How to本のようで、
家の外でカバーをかけずに読むのが恥ずかしい
タイトルも、「超克」の意味がわからない相手には、
How to本だと思われてしまう!
……と自意識過剰なわたくしはベッドの中でちょこちょこ読み進めました。

内容は「近代の恋愛観」へのアンチテーゼと
売買春論の二本立て。
本文自体は真面目で読み応えあり。
先輩いわく、新書で出ている著作以外はわりと堅いそうだ。
ページの端に入っている学者にまつわる注には
筆者のつぶやきが入っていて笑える。
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106:山本史也 『神さまがくれた漢字たち』

2008-11-10 21:36:22 | 08 本の感想
山本史也(白川静/監修)『神さまがくれた漢字たち (よりみちパン!セ)』(理論社)
★★★☆☆

著者は白川静の弟子とのこと。
漢字の成り立ちについて、通説とは異なる白川説を紹介。
おもしろかったのだけれど、文章が大変に読みづらいのと
白川説を信奉するあまり(?)客観性に欠ける書き方を
しているのとで、いまいち入り込めず。
とにかく文章が曲者で、「中学生以上のすべての人」を
対象としたレーベルにしてはわかりにくく、
中学生には勧められないなあ~~。

「民」の漢字の成り立ちにも「ほほう」と思ったけれど、
なにより驚かされたのは
折口信夫と釈迢空が同一人物だったということだ!
というかわたしが無知すぎた。すみませんでした。

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105:岸本葉子 『30前後、やや美人』

2008-11-07 10:26:02 | 08 本の感想
岸本葉子『30前後、やや美人』(文春文庫)
★★★☆☆

小谷野敦の『帰ってきたもてない男』をはじめ、
本を読むたびに岸本さんの名前を頻繁に見かける
今日このごろ。
(小谷野氏は美人で才媛である岸本さんのファンらしい)
なにかのお告げ!?と思って借りてみました。
1996年の本なので(サリン事件の話題があるし……)、
イマイチ新鮮味は感じられないのだけど、
日々の雑感に共感すること多し。
今度は最近出た本を読もう。
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104:辰巳渚 『もう一度「捨てる!」技術―「メンテナンス!」の方法』

2008-11-06 22:50:28 | 08 本の感想
辰巳渚『もう一度「捨てる!」技術―「メンテナンス!」の方法』(宝島社新書)
★★☆☆☆

前作の『「捨てる!」技術』が、「捨てる」という
一時的な行為を扱っているのに対し、
今回は「使ってメンテナンスする」という
日常的な行為を勧めている。
大事なことが書かれているのだと思うけれど、
いまいちインパクトがないんだよなあ……。
内容が散漫な印象で、構成もよくなかった気がする。
途中から斜め読みになってしまったので★2つ。

なんだかんだといって、
部屋の中のあれこれをまとめてドカッと捨てる、
その一回性が爽快だったりするんだよね。
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