金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

65:フジモトマサル 『今日はなぞなぞの日』

2009-12-05 08:30:30 | 09 本の感想
フジモトマサル『今日はなぞなぞの日』(平凡社)
★★★☆☆

「ほぼ日刊イトイ新聞」に連載されていたものに
新作を加えて単行本化されたもの。
「買うと、もれなくおやつがもらえる家電製品は?」
「捕らえられたスパイが『絶対に自白をしないぞ』と
 心に誓いながら食べる獄中食は?」
といったダジャレなぞなぞの数々。
仕事のネタ本として借りてきました。

本だと次のページを見るとすぐに答えがわかっちゃうから、
「思いつくまで答えは見ないぞ!」
という強い自制心が必要だわ。
わたしはすぐ答えを見ちゃう。
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64:森見登美彦 『四畳半神話大系』

2009-12-04 23:34:32 | 09 本の感想
森見登美彦『四畳半神話大系』(角川文庫)
★★★☆☆

腐れ縁の悪友・小津に振り回され、
四畳半のアパートで、ばら色のキャンパスライフとは
縁のない生活を送る冴えない「私」。
あのときちがうサークルに入っていたら……
選んだサークルによってそれぞれに展開される
パラレルワールドを描く四編。

*************************************

『太陽の塔』を読んですぐだったせいか、
似たような人物造形と雰囲気にやや食傷気味。
四つのパラレルワールドがちょっとずつリンクしていたり、
古典的名作のパロディになった文章が
ちりばめられているのはおもしろいが……すでに飽きた。

『夜は短し歩けよ乙女』はしばらく間を空けて
読んだほうがいいかもなあ。


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63:寺田寅彦 『柿の種』

2009-12-04 09:40:59 | 09 本の感想
寺田寅彦『柿の種』(岩波文庫)
★★★★★

初・寺田寅彦。

物理学者で俳人、随筆の名手。
漱石の弟子で、『吾輩は猫である』水島寒月や
『三四郎』の野々宮宗八のモデル……
ということくらいしか知らなかったのだけど、
この短文集を読んだかぎりでは、
この人の文章、すごく好み!
文章表現の硬さと詩情のバランスが良いよね。
忠犬ハチ公が生きていて、関東大震災が起こって、
足尾鉱毒事件のあった時代、
チューリップやヒヤシンスを自ら植え、
飼い猫の死を悼んで作詞作曲する著者にときめく。

「自分の欠点を相当よく知っている人はあるが、
自分のほんとうの美点を知っている人はめったにないようである。
欠点は自覚することによって改善されるが、
美点は自覚することによってそこなわれ
亡われるせいではないかと思われる。」(P.225)
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62:稲垣足穂 『一千一秒物語』

2009-12-04 09:25:10 | 09 本の感想
稲垣足穂・たむらしげる『一千一秒物語』(ブッキング)
★★★☆☆

初・稲垣足穂。
お月様を撃ち落としたり、お月様が飲み屋で飲んでたり、
ほうき星がビール瓶の中に入ったりする、
夜と天体をテーマにした不思議な掌編小説集。
たむらしげるの個性的なイラストも良い。

美しいイメージを喚起する、はっとするような表現が
いくつかあるのだけど、登場人物がやたらと暴力的で
すぐに殴りかかったりピストルをぶっ放したりするので、
そっちへのツッコミのほうに気を取られて
表現の美しさへの印象はそれほどでもなくなってしまった。
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