金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

121:高田郁『あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇』

2021-05-17 20:01:43 | 21 本の感想
★★★★★

【Amazonの内容紹介】

江戸時代中期、長く続いた不況を脱し、
景気にも明るい兆しが見え始めた。
大坂天満の呉服商、五鈴屋でも、
五代目店主の惣次とその女房幸が、
力を合わせて順調に商いを広げていた。
だが、徐々に幸の商才を疎むようになった惣次は、
ある事件をきっかけに著しく誇りを傷つけられ、
店主の地位を放り出して姿を消す。
二度と戻らない、という惣次の決意を知った
お家さんの富久は、意外な決断を下す。
果たしてその決断は五鈴屋を、そして幸を、
どのような運命へと誘うのか。
大人気シリーズ第四弾!

*************************************

出ていった惣次の代わりに智蔵が戻ってきて
六代目になり、幸は今度は智蔵の妻に。
三兄弟に順に嫁ぐ数奇な運命をたどりつつ、
夫が替わるごとに商才を発揮できるようになり
どんどん商売の手を広げていく展開が熱い。

幸は自分が美しいということを知っているから、
宣伝のために自ら浄瑠璃人形と同じ着物を着ていく、
という発想が出てくるんだよな~。
このあたり、反感を買いそうな要素なんだけど、
深く考えなければスルーしてしまえる描き方。
その塩梅もうまい。


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大河ドラマ『青天を衝け』#14

2021-05-16 21:05:55 | 大河ドラマ「青天を衝け」
家康「こんばんは、徳川家康です」
  「先週、私はお休みしましたが……」

もう出てこないのかと思いきや、あっさり戻ってきた!!

平岡からのアドバイスにより、直訴をするため、
馬に乗る慶喜を追っかける栄一&喜作。
第1話の冒頭にようやくつながったのね。
「初めて自分達でご飯を炊きました😃
と小学生向けの番組のようなナレーションを
入れられる栄一&喜作に笑った。
お金貸してくれる先輩、いい人だな!

勝手に盛り上がって熱くなっている栄一の言も、
薩摩に不信感を募らせる慶喜を焚き付ける結果になり、
慶喜覚醒。
ばっさばっさと島津やそれに抱き込まれた宮さまに
斬り込んでいくの、痛快だけど、
めっちゃ敵増やすよ~!!とハラハラ。
コメント (2)
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大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈8〉

2021-05-12 17:48:06 | NHK大河「平清盛」レビュー
あらすじと初見のときの感想はこっち

平氏の繁栄を支える宋との貿易をからめて、
藤原頼長vs清盛。
頼長の死までいい味出してたオウムちゃんの初登場回。
清盛の持っていた宋銭と、
為義から献上されたオウムをきっかけに、
忠盛の密貿易をかぎつけ、清盛を問いただす頼長。
尺は短かったけれど、緊迫感もあり、
王家の腐敗と頼長のキャラを
きっちり描いていてよかった。
由良御前のツンデレ(わざわざ義朝に会いにくるなんて積極的だな!)、
家盛の悲恋も印象的だったけど、
なりよりこの回、崇徳天皇の「重い男」っぷりが怖い!!
重陽の宴で鳥羽院に求められ、義清が和歌を献上したと聞くと
「許さぬ!!」
「信じられるのはそなただけじゃ」
「そばにおってくれ」
と義清の手をとって言い募る。
義清は北面の武士だけど、昇殿は望めない身分だったはず。
そこにいたるエピソードがなかったから、
いきなり見初めて、めっちゃ重い愛を
注いでいるようにしか見えない。
義清もドン引きしてるよね、これ……。

帝の愛に応えるようなこと言ってるけど、
義清お前、この後やったこと、
・帝の母と不倫する
・帝を放って出家する
だろ、知ってるぞ!!

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大河ドラマ『青天を衝け』#13

2021-05-09 21:01:17 | 大河ドラマ「青天を衝け」
番組が始まって以来、初めて
「こんばんは、徳川家康です」
がなかった!!
京都篇では出番なしなのかな?

なんというご都合主義、
準備が良すぎる平岡のおかげで
サクサクと話が進み、
彼の支援で栄一と喜作は江戸から京都へ。

一方、栄一からの文を受けて京へ向かった長七郎、
ちょっと前から精神を病んでいたことが
示されるのだけど、道中、狐の幻覚を見て、
通行人を切り殺してしまう。
ここだけホラー風味の演出。

攘夷・攘夷と意気込んで京へやってきたものの、
京都見物して無為に時間とお金を消費する栄一&喜作。
長七郎が捕まったことで「自分たちもヤバい!」と
思ったら、タイミングよく平岡に呼び出され
(再びのご都合主義)、あらためてスカウトを受ける。
栄一&喜作のいう「攘夷」は、本当に田舎の若者が
はやりにかぶれてはしゃいでるだけなんだな。

【その他いろいろ】

・ディーン・フジオカ@五代様は
 朝ドラファンへのサービスかな?

・別にフォーカスしなくても話は成立したであろう
 土方歳三。これも新撰組ファンへのサービスかな?

・栄一たちの監視についていた川村、
 どっかで見た顔だと思ったら
 『平清盛』で義平役やってたひとだ!
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大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈7〉

2021-05-08 13:00:20 | NHK大河「平清盛」レビュー
あらすじと初見のときの感想はこっち

ラブコメ回。
おもしろかったところもあるのだけど、
正直なところ、一話まるまる使うほどの
エピソードではなかったのでは?
最初の嫁と次の嫁、ふたり同時に
エピソードを消化してると考えれば仕方ないか……。

清盛が従四位下、明子の父・高階基章が六位のため
しきりに「身分違い」を強調しているのだけど、
清盛が汚すぎて、高章パパのほうが高位に見えちゃう。

清盛が明子を妻にと望み、忠盛がそれを受け入れたことで
宗子ママにわだかまりが。
平家のためにと家成が宗子のところへ持ってきた縁談が
無駄になっちゃう、というのもあるけど、
そうか、
・妻にしたいと望んだ女=舞子
・成りあがるために妻として迎えた女=自分
であって、忠盛が自分のかなわなかった恋の成就を
清盛の結婚に重ねたって、解釈してるのね……。
家成も気遣ってたが、宗子ママは損な役回りだよ。

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大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈6〉

2021-05-08 12:46:12 | NHK大河「平清盛」レビュー
あらすじと初見のときの感想はこっち

初回放送時、この回はつまらないと思って流し見してた
記憶があるんだけど、あらためて見ると胸熱じゃないか。

藤原南家に生まれ、高階家へ養子に入ったために
学者として大成できなくなった信西の生い立ち、
中国語が話せる能力の高さ、
いまの体制に道を閉ざされていて
それを打開したいと願う、清盛との目的の共有という
仕込みがされていた。

兄思いで、なんだかんだ言って清盛を助けに行く
忠正おじさんにはやはりキュン。

「おれは海賊王になる!」
とワンピースして物議を醸していた回だが、
因縁の相手・兎丸と衝突しながらも仲間になっていく、
少年誌的なベタなノリも、
後々にふたりがたどる運命を知ったうえで見ると
泣いちゃう。

時子がラストにちらりと初登場。
深キョンは本当に可愛いな~。

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大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈5〉

2021-05-08 00:24:16 | NHK大河「平清盛」レビュー
あらすじと初見のときの感想はこっち

崇徳天皇(大人Ver)と美福門院、初登場。

初回時には何とも思わなかったが、
義朝&猫、義清&猫のサービスショット、
よいですな。
義朝と清盛の喧嘩友達っぷりも、
この後の演出を知っていて見ると、胸が苦しい。

鳥羽院の心をえぐり続ける璋子は、
いつの間にやら会ったばかりの得子から
巨大感情を引きだしてしまった様子。
得子、いま見ると鳥羽院に襲われるまでは
物憂げな美人として演出されてたんだな。

陣定のシーン、信西の鼻つまみ者っぷりを
うまく描いてた。
京から安芸までは結構な距離で、
数日で着けるものじゃないと思うんだけど、
荷物に隠れていて体力を消耗しなかったとはいえ、
水とかどうしてたんだろ。

すでに清盛という子のいる忠盛へ嫁いだ理由を
宗子ママに訊いた家盛、
聞き分けのよいいい子の笑顔の下に
着々と鬱屈をためていってる……。

 そして忠正おじさん、初回でも思ったが、
その思い、清盛にぶつけたってしょうがないじゃん!!

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121:高田郁『あきない世傳 金と銀〈3〉 奔流篇』

2021-05-07 17:21:28 | 21 本の感想
★★★★★

【Amazonの内容紹介】

大坂天満の呉服商「五鈴屋」の女衆だった幸は、
その聡明さを買われ、店主・四代目徳兵衛の
後添いに迎えられるものの、夫を不慮の事故で失い、
十七歳で寡婦となる。
四代目の弟の惣次は
「幸を娶ることを条件に、五代目を継ぐ」と宣言。
果たして幸は如何なる決断を下し、
どのように商いとかかわっていくのか。
また、商い戦国時代とも評される困難な時代にあって、
五鈴屋はどのような手立てで商いを広げていくのか。
奔流に呑み込まれたかのような幸、
そして五鈴屋の運命は?
大好評シリーズ、待望の第三弾!

*************************************

あれ、2巻の記録がない。
でも読んだはず。

1巻から、惣次の冷淡で攻撃的・暴力的なところは
確かに描かれていた。
でも、幸の才覚を認め、商売のパートナーとして重んじ、
優しく接していたからさ~!
幸のアイディアを認めて取り立て、実現していくうちに
彼女に嫉妬して意見に耳を貸さなくなり、
駄目になっていったのがつらい……!

江戸時代の経済の状況や商売のやり方等、
悦明しなきゃいけないことが多いのだけど、
いかにもな説明にならず、ふんわりな理解でも
問題なく読み進めていける作りになってるの、
すごい手腕だ。

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大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈4〉

2021-05-06 11:19:58 | NHK大河「平清盛」レビュー
あらすじと初見のときの感想はこっち

あいかわらずの鳥羽院&璋子 による昼ドラ劇場、
忠盛&為義の、父親として棟梁としての戦い、
父親の思いを知って心打たれる息子たち。

ダメダメな為義の、
「わしが義朝にしてやれることはこれしかないのだ」
に、キュン。
いや、それやったらますますダメだろ、と思うんだけど、
わずかな可能性にでもすがろうとするあがきに
胸を打たれてしまうのであった。

忠通初登場。
「忠盛なんか認めねえ!」と口にする忠通に対し、
人を使って集団で嫌がらせする忠実の陰湿さ。
忠盛の昇殿を祝う宴なのに、ひどい。
忠実って院近臣の家成に
めっちゃ気つかってるイメージがあったんだけど、
家成主催の宴でこんなことしちゃうのね……。
忠実&忠通はともかくとして、集団で嫌がらせした貴族たち、
出世した清盛によく報復されなかったな……。

義清と璋子に関しては、このあたりからちゃんと
仕込みがされているのがわかる。
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大河ドラマ『青天を衝け』#12

2021-05-02 20:45:30 | 大河ドラマ「青天を衝け」
あれ、家康は??

とそわそわさせる焦らしテクニック。

途中で「こんばんは、徳川家康です」が
今回はまだだぞ??と気付いてから、
本編の内容よりそっちのほうが
気になってしまったじゃないか。
最後の最後で「来週から京都篇だよ☆」と
ちゃんと出てきた。

「元ネタ:南総里見八犬伝」
というしょうもないテロ計画を、
「暴挙」「子供だまし」と
長七郎が諫めて止めてくれてよかった。
「間違っていた」と気づいて素直に反省するの、
栄一のいいとこだけどさ~、
ふだん物分かりの良すぎる千代ちゃんのお願いを
聞かないってどういうこと??
結婚当初から、千代をないがしろにしてるように
見えることがしばしばあり、それが気になる。

父ちゃんの物分かりも良すぎなんだけど、
これに関しては今回ちゃんとバックボーンが
明かされていてよかった。
しかし、それにしたって息子に甘すぎるよ~!
ちょろまかした金の返済を迫るどころか、
今日へ行くと言いだした栄一に金を用立ててやるとは。

今日でストーリーは一区切り。
ハマるほどではないのだけれど、
手堅い作りに好感を持ちつつ
毎回退屈せずに見てます。

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