牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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中国製ぎょうざ(ギョーザ)で中毒。殺虫剤混入か?/酒の食品安全

2008-01-31 10:46:55 | 酒の情報(酒エトセトラ)
昨夜以降、中国製ぎょうざでの中毒事件が大きく報道され、中国産の食品の安全性への懸念がますます高まっています。
商売柄、それではお酒の食品安全は?と気になってしまいます。

お酒にまつわる事故というと、まず思いつくのがいわゆる戦後の「バクダン」をはじめとする、メチルアルコール事故。これは、燃料として製品化されたメチルアルコール入りのエチルアルコールからメチルアルコールを除去して作られ横流しされた密造酒で、除去が不完全だったり、実は除去していなかったりして、失明、死亡事故を起こしたもの。
さすがにこれは現在の日本ではないでしょうが、中国ではこの手の偽酒中毒がたまに報道されています。ただ、密造の背景(貧困等)を考えると、これが我が国に正規ルートとして輸出される可能性は低いように思えますが、おみやげ用に買ったものとかはリスクゼロとはいえないかも。

少し不安なのは、危険物質の「混入」です。これは
①事故という意味での混入
②事件(悪意)による混入、そして
③(一見正常な)製造プロセスでの添加物等としての混入
等に大別できるのではないでしょうか。

①で判りやすいのは瓶の中への異物(瓶の破片等)の混入。たしか、以前オーストラリアから輸入した「ツードックス」の中に瓶の破片が入っており、全品回収となったという報道がありました。その他、醸造・封入過程での物質レベルでの混入もありえないことではありません。
②の悪意は、、、ちょいと古いけど名張ぶどう酒事件が有名ですが、これは別にしましょう。
そして③です。これはちょっと恐い。最近でも、赤ワインに添加されている肝臓と神経系統に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている甘味料について、添加量が基準を超えているとして北京市当局が販売禁止にした(2007/09/14付NEWS CHINA)とか、あくまで報道レベルですが中国のビール製造業者はビールの沈殿物除去のため、人体に無害なシリカゲルやPVPPの代わりに、コストが数十倍安いホルムアルデヒドを使用しているという話とか。そういえば我が国でも1985年にオーストリア産のワインにジエチレングリコールが混入しており社会問題化しています。

その他、お酒を提供する側での事例も耳にします。数年前、有名なビール園でサーバーのホース内に残った前日のビールを飲み放題の客に対し出していた事件も記憶に新しいところ。
また、確かカナダでしたか、郊外の農園でりんご酒を提供し、それでO-157による食中毒が発生したという事件をカナダの文献で見た覚えがあります。

いやいや、書き出すと色々あるものですね。きちんとデータベース化しておきましょう。

(担当:附属酒類経済・文化研究所)

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