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「年中行事から食育」の経済学

2008-01-24 09:13:29 | 酒の本棚(書評?)
専門書はさておき、一般書で「○○の経済学」というと、さまざまな「行動」を経済原則から説明するものと、金銭化したり値段が出てくるものに大別される気がします。

佐々木輝雄(2006):「年中行事から食育」の経済学、筑波書房、167p.

この本は後者に属します。

「はじめに」で著者ご自身が述べていますが、年中行事の中の食を通じ、日本の伝統・文化を学ぶという「年中行事から食育」が本題であり、そこに著者のご専門の経済の視点が入っているので「『年中行事から食育』の経済学」となった、ということです。

構成は単純で、月ごとに年中行事(例えば一月は正月、七草の節句、鏡開き、成人の日、どんど焼き)が列挙され、それぞれの行事の内容や歴史・文化的意味、そしてお金まわりの話が書かれています。

お金まわりの話の多くは「値段」で、例えば正月は「おせち料理の費用とメニュー」が出ています。

「酒の本棚」なのでお酒や酒類流通に関するものを見てみると、成人の日のネタとして、全国地域ごとのお酒の種類別消費額が整理されているほか、以前このブログでも整理したお歳暮の市場規模等「歳暮の経済学」として触れられています。また、近づくバレンタインデーの市場規模は1,300億円、ホワイトデーのそれは500億円というのも、百貨店で企画展開する弊社にとっては「ふむふむ」というところ。

このように、いろいろな種類の食品の消費額・支出額や、記念日や行事の市場規模を統計や調査から整理したもの、となっています。
それだけと言ってはそれだけですが、いろいろなことを考えるヒントになります。

ところで、、、、ホワイトデー500億円という数字、ホワイトデーは3倍返し、というのとは整合しませんね。何故でしょう?

(担当:附属酒類経済・文化研究所)

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