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萩の日本酒が地理的表示(GI)登録?の続き

2021-02-05 18:22:47 | 附属酒類経済研究所
                          

                           【公式HPはこちら↑】




萩の日本酒がGI(地理的表示)に登録されようとしている、というのが昨日のお話。

日本酒GIを斜に構え見ている自分ですが、こんな文章で締めくくりました。
(参考:食レポの極北? 「飲み込むという所作がまるで不要に感じるかのようにのどの奥に収まる」三重の酒



「萩ジオパーク」さんがお手伝い、というようですが、この辺り(にも)日本酒GIの特殊性が出ている気がします。


えっと、昨日も書いたように、ジオパーク、好きです。

そんな自分の理解としては、ジオパークと言うのは、それぞれの地域の、特に地質・地形などの自然(景観)から、その地域の風土・歴史との関係性を考えたり、その保全を図ったりし、その上でそれを観光資源としても打ち出していこう、というもの。
(前半は「ブラタモリ」そのものですね)

言い換えれば、「世界一」とか「世界で一つだけの花」、あるいは「個性」をことさらに打ち出すものではなく、ブラタモリでもよく出てくる「坂」「くねくね道」「崖」など、普段は何の気なしに接しているものが、実は自然と歴史との関係性に拠っているということを知ろう、というものです。
(まあ、最近では、後段の観光資源としての打ち出しの方を意識しているようですが、正直、それだけで人を呼べる地域って少なそう)


で、これに対し、地理的表示、例えば日本酒が目指しているワインの地理的表示は、「地形・地質や気候、歴史文化などの風土に密接に関係したブドウ品種や栽培方法」「伝統的な醸造方法」などを前提に「その中での良いワイン」を目指し、そしてそれを保護する、という性格のものであると思われます。

ただ、日本酒を考えると、ワインとは異なりどちらかというと原料(米)と地域とは切り離され、また、どこの地域(町村)でもお酒造りが行われていたという話もあるように、醸造技術も地域に根差したものというよりは汎用の技術であるとか、ですよね。
(もちろん、「水」は地域のものですし、灘などの集積地はそれに拠る部分も多いのが事実)

そんな日本酒だからでしょうか、日本酒GIは、「この土地だからこそ」というよりは、それぞれの土地にあるお酒を、風土との関係を(物語/ポエム的に)語り、それを以て地域資源として打ち出していこう、という趣旨になりつつあるように見えます。
(「壱岐焼酎」が登録されたときは、元来の趣旨に近いと思ったのですが、、、)


そういうこともあり、物語化や観光面での打ち出しにも力を入れる地域のジオパークの方々がお手伝いされているんですね。


とはいえ、当の萩のジオパークさんのSNSにはこう書かれていました。

ただ単にどこどこで採れる、作られている、というだけでは登録されません。どのような特徴の自然環境で、どのような歴史的背景があって、どのような生産基準で...と特産品の背景を含めて情報を整理する必要があります。
実は今、県内4例目として萩の日本酒がその登録を目指しています。


これに沿った萩の日本酒の個性、期待しています。


今日も話が長くなったので、口直しに最近の日課「一年前のヴェネチア旅行」




初日の夜から、気合を入れて1792年開館のヨーロッパの中心的劇場として名を馳せたフェニーチェ劇場へ。







(ちなみにこの夜の演目はバレエ、ハンブルグ・バレエ/ノイマイヤーのDUSE)



ヴェネチア中心部、夜のサンマルコ広場のアーケード
(劇場はサンマルコ広場からも数分のところ)


一昨日昨日今日の3日でやっと旅行の一日分でした。





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