何回か前の週末、ガーデニングイベントをやっていた日比谷公園まで走った後に、有楽町から銀座へと回った時のこと。
東京国際映画祭関連のイベントもやってた。
これは神楽坂・白鷹ともご縁の菊地凛子さん?
有楽町の交通会館で恒例のマルシェをやっていたのですが、そこに日本酒のブースがありました。
新潟の「小山酒造店」さんという蔵元さん。
「新時代の酒」「特殊製法」と気になる言葉が並んでいるのでお話をうかがうと、雑味の要因となる米のタンパク質を精米で除去するのではなく、洗米の前段階で乳酸菌発酵により除去しているそうです。
なるほど、一般論としてお米の成分は米粒の中で均一ではなく、タンパク質は玄米の表面とその下層に偏在しています。そしてこのタンパク質は「清酒の雑味のもとになる」と言われていて、それ故大吟醸酒などでは周囲を50%も削っているのですが、その分高価になります。
一方で、「雑味も味の個性」という視点から、あまり精米しなで造る蔵元さんも出てきていて、フルボディのお酒を追求するのが一つの流れでしょうか。
(ウチの倉庫の中では土田酒造さんの「シン・ツチダ」が典型)
その中で、ブースを出している小山酒造店さんは、こうした個性の追求ではなく「削らずにタンパク質を除去してキレイな酒を」という発想で造られたということで、確かに新しい考え方です。
実際、味見させて頂くと、精米歩合90%と思えないすっきりとした味わいです。
逆に言うと。複雑味は少なく、ちょっと拍子抜け。
ただ、90%と60%では残るお米が1.5倍ですから、生産量も増えるということになるので、効率の点で良いというのが売りなのでしょうか。
あるいは、そんな物語を楽しむ、というのか。
この取り組み、発酵技術の粋を尽くし、甲州ブドウでらしからぬ柑橘のフレッシュさを引き出したメルシャン「きいろ香」にちょっと似てますね。
(「きいろ香」についてはこちらで15年前に書いていた)
折しもこの清酒は「かもし香(かもしか)」というブランド名。メルシャン「きいろ香(きいろか)」と似てますね。
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