今日の夕方、自民党・公明党が内閣不信任案を提出しました。衆議院では与党が圧倒的多数を握っているため、これが可決するには、与党からの相当数の造反が必要です。
これに対して、現政権に冷遇され菅首相への批判を強めていた小沢グループは、不信任案に同調する姿勢を示していましたが、小沢一郎氏本人が不信任案に賛成する意向を示し、政局は決定的になりました。
昨日、菅首相に退陣を迫りながら受け入れられなかった鳩山前首相も賛成の意向を固めたようです。原口一博元総務相も賛成を表明しました。
その他の党のリーダークラスは賛成を表明していないため、どの程度賛成に流れるのか、可決されるのか、いまだ不透明ですが、このあとどんなことが起きるのでしょうか。
(1)同調が広がらず否決されるが、造反者はお咎めなし
→現状(運営能力に欠ける政権)がさらに悪化したままずるずる継続
(2)同調が広がらず否決され、造反者を除名
→能力的にも環境的にも厳しい政権運営がさらに不安定化
(3)造反多数で可決し、総辞職し、造反者は除名されず新たな民主党政権
→挙党一致でベターは首相を選べるかどうかがポイント
(4)造反多数で可決し、総辞職し、民主党は分裂し新たな枠組みの連立政権
→党利党略を越え、復興のための時限連立が出来るかがポイント
(5)造反多数で可決し、解散総選挙へ
→問題外でしょうが、やりかねませんね
結果どうなるのか政治評論家ではない私には分かりません。一刻も早く復興、原発事故収束にあたるべき時に政権交代などしている時ではないという議論がまことしやかにされています(菅首相自身もそう言っていました)。しかし、不信任案を提出し、賛成する人たちの思惑はともかく、菅首相の下での復興、原発事故収束がとてもうまくいかないのであれば、とっとと変えた方がいいに決まっています。自ら辞める気がないのであれば、正式な制度を使うしかないでしょう。
かつての非自民政権で中心的役割を果たした田中秀征が「トップをコロコロ代えるべきではないという議論があるが、ダメなものをそのままにするよりは、いい人が見つかるまで何度でも表紙を替えればいい」と発言したことがあります。見識だと思いました。
震災前の発言ですが、震災後だって同じだと思います。代えないことが大事なのではなく、政治の目的が何で、何が一番効果的なのかを考えるべきです。
明日、どういうことになるか分かりませんが、少なくとも菅首相には降りてもらい、人材豊富とは言えない中ではありますが、党利党略、私利私欲にとらわれず、国民のために働ける、今より少しでもベターな人を選んでほしいと思います。日本の明日のために。