楽天の田中将大投手が完封で、今季無傷の12勝目を挙げました。それだけでなく、これで40イニング無失点だそうです。今季は西武の「菊池雄星投手が止まらない!」という感じで、このブログでも書きましたが、田中投手も止まりません。勝利数はもちろん、防御率も1.24で菊池を抑えて1位に立っています。飛ばないボールからやや飛ぶボールに戻った中での成績ですから立派です。
田中投手と言えば、全力投球と雄叫びというイメージがありますが、ダルビッシュの後継者として日本のエースを担うと期待されたWBCでは結果を出すことが出来ませんでした。開幕直前の大事な時期の不本意な結果に、今シーズンは心配されましたが、逆にここで何かを得たのかもしれませんね。
速いだけの投手ならたくさんいますが、その中で勝てる投手になるのは一握りです。私には投手の極意は分かりませんが、よく言われる緩急もそうでしょうが、所謂生きた球が投げられるかどうかがその差を分けるのではないかと思います。曰く、本当に指先の微妙な感覚を感じることが出来るかどうか、ということのようです。もちろん気持ちが大事じゃないとは言いませんが、気持ちだけでは勝てないのがスポーツの真髄ですね。
それは野球だけでなく、100m走でも、ハンマー投げでも、体操でも、言えることではないかと思います。やみくもに力で勝負するのではなく、力とバランスがかみ合って最高の力を出すことが出来るようになることが、アスリートの本当の「力」なのではないでしょうか。高校生ながら世界に近づいた桐生、30代後半で世界レベルを維持する室伏、プレッシャーの極限で金メダルを獲得した内村などは、こういう「力」を得た人々なのだと思います。
レベルは違いますが、少年野球でも、中学野球でも、「あれ!」と思う経験をすることはあると思います。それが、一皮むける瞬間です。しかし、それもこれも、ギリギリの練習をすれば訪れるものだと思います。ぜひ、散ドラ諸君も、ダルビッシュや、田中将大を目指してがんばれ!
ついでに言うと、現代の伝説を目指している大谷翔平選手(今日は)のプレーをニュースで見ましたが、ものすごいフィールディングでした。ライト前ヒットで一塁走者を三塁で刺した送球ですが、イチローよりもすごいレーザービームでした。イチローも140kmを投げる投手経験者ですが、やはり160km近く投げる大谷の送球の加速の仕方は半端なかったです。投手大谷もすごいですが、これも捨てがたく思います。どうなるか、楽しみでもあり、悩ましくもありますね。