これまでは連戦だった準決勝ですが、昨日初めての休養日を置いての準決勝となりました。
日大山形 対 前橋育英
本当は決勝で観たかった一戦です。日大山形は、自らのベスト8を越え、山形県勢初のベスト4進出を果たし、前橋育英も夏の大会初出場でベスト4の快挙です。
荒れ球と制球の良さの差はありますが、ともにキレのいい球を投げるエースを擁するという点も似ています。
ポイントは初回でした。立ち上がりは誰しも不安定で得点が入り易いイニングです。先攻の日大山形は、高橋光成を攻めて一死満塁の絶好機を迎えました。ここで左打者のワンバンで二塁手横を抜けるかという鋭いゴロが飛びましたが、セカンド高橋がうまく反応しキャッチすると、素早く二塁へ送球、ショートから一塁転送でダブルプレーとして、ピンチを逃れました。
裏、日大山形の庄司の球がやや高めに浮き、前橋育英がヒットと犠打で二三塁のチャンスを作ると、4番荒井が高めのスライダーをしっかりライトに犠飛を上げて先制しました。
すると、前橋育英は2回にも9番のタイムリー、3回には4番荒井のタイムリーで1点ずつを追加し、逆に、これまですべて完投してきた日大山形の庄司は途中降板し、前橋育英が終始主導権を握り、1対4で勝利しました。
勝因はやはり投手高橋光成の制球力と鍛え上げられた守備力でしょうね。中継プレーが乱れてのエラーはありましたが、いわゆるファーストプレーでのエラーはなく、初回の二塁手高橋のプレーをはじめ、好プレーが光りました。
ただし、試合終了後の高橋投手は疲労困憊といった体だったので、明日の決勝が気になるところです。
花巻東 対 延岡学園
今年の花巻東は、かつての菊池雄星、大谷翔平といった絶対的存在はなく、156cmと異色のセンター千葉が話題をさらっています。
概ね評価する論調が多いようですが、鳴門戦のやり方は正直好きではありません。もちろん、狙ってファウルを打つことはすごい技術ですし、ファウルを打ってはいけないというルールがあるわけではありません。しかし、松井秀喜が5敬遠された試合がルールの範囲内でありながら、何か釈然としなかったように、私の中ではすっきりしません。済美・安楽からマルチヒットを打ったように打つ力があるのだからなおさらです。野球とは、「ピッチャーが投げた球を打って、相手よりも1点でも多く取る」というシンプルなスポーツだったはずです。
おまけに終盤、花巻東が追いつき逆転した局面では、二塁走者だった千葉がコースを打者に知らせた疑いで主審から注意を受けるという後味の悪いことがありました。この日の準決勝はどうなりますやら。
序盤は、両左腕の好投で静かな立ち上がりでした。花巻東の千葉も、鳴門戦ではあれほど粘ったのに、2球目であっさりアウトになりました。その後も心なしか淡々と試合が進みました。千葉は、2打席目、3打席目も凡退で、出塁率8割はどうなったの?という感じです。花巻東が何か静かな分、延岡学園の左腕横瀬の調子がだんだん上がってきました。
すると、案の定試合が動きます。6回の裏にヒット・盗塁のあと、5番浜田が逆らわずにライト前に運び、延岡が先行しました。6番田中も左中間を破る三塁打でさらに1点を追加。
横瀬はますます乗ってくる。7回表は、三球三振、初球投ゴロ、4ゴロで三者凡退。
7回裏の攻撃で梶原が足をつって退場、若干時間がかかって横瀬のリズムが狂ったか、8回表、花巻東は二死から久々のヒットで出塁し、四たび千葉を迎える。昨日だったら選びにいくのだろうが、2ボールから千葉は強振。いい当たりが飛ぶも、二塁手正面。思わず弾いて落球するも、慌てず二塁を踏んで封殺。花巻東は三塁すら踏めない。
8回裏、延岡はヒット・ボーク、犠打で一死三塁からスクイズを試みるも、外され三塁走者タッチアウト。これがどうでるか。
9回表、今大会本塁打も打っている3番岸里中飛、4番太田三振、5番多々野追い込まれながら四球で何とかつなぐ、6番山下三球三振でゲームセット。
横瀬が3安打完封で延岡学園が完勝、宮崎県勢初の決勝進出です。延岡の横瀬投手はしり上がりに調子をあげ、テンポよくなっていったのは事実ですが、花巻東は元気がなさすぎな感じもしました。特に千葉は、一昨日とは別人でした。「サイン疑惑」報道が影響したのでしょうか。
いずれにせよ、決勝は、初優勝をかけた前橋育英対延岡学園の戦いと決まりました。前橋育英も、準々決勝で喜多川が投げていますが、ほとんど高橋光成が投げており、明日も連投だと疲れが心配です。対する延岡学園は、横瀬、井出、奈須というエース級が3人いて同じように投げているので、疲れの蓄積も少ないですし、継投でも有利です。しかし、決勝戦は、そういった事前の予想や分析を越えたところで勝負が決するように思います。泣いても笑ってもあと一戦。両校とも頑張ってほしいものです。
今日のジョグ
19.0km 1時間56分32秒