八王子市散田町在住のスポーツ好き親父の戯言!

八王子市の学童野球チーム散田ドラゴンズ元管理人(2007年3月~2016年2月)のブログです。

本城雅人著『球界消滅』文春文庫

2015年03月16日 22時25分50秒 | プロ野球・高校野球

野球関連の本を久々に読みました。あらすじは、こんな感じです。

 

メジャーリーグのGMになるという夢を叶えるために、渡米し、その登竜門であるファンタジーベースボールというゲームで優勝し、それをきっかけに横浜ベイズの副GMに就任した大野俊太郎。他球団が目を付けないような的確な編成で3年で優勝争いするまでにチームを育てる。

 

そんな中、横浜ベイズと人気球団東京ジェッツの合併が報じられる。しかし、それは12球団を4球団に集約し、メジャーリーグ合流を企図する東都新聞国際事業部長の牛尾の画策だった。牛尾はかつての球界再編騒動の轍を踏まないように、緻密な戦略とリスクマネジメントで隙のない包囲網をひく。人生唯一の挫折を味わったアメリカンフットボールで得た信念「モメンタムとセキュリティ」。 それに基づき、各球団だけでなく、選手やファンも思った方向に導いていく。

 

しかし、データだけで仕事をしていた大野俊太郎は、この騒動を通して、ファンや選手と直接関わり、野球をマネジメントすることの本当の意味に気づき、選手を巻き込みながら牛尾に戦いを挑む。

 

 

以前から何度か日本球界の問題点について、私なりの意見を述べてきましたが(「球団経営」)、それを裏書きするようなストーリーです。荒唐無稽なストーリーのようですが、スポーツジャーナリストならではの知識で、いかにも起こりうるような物語となっています。

 

現実には、メジャー合流は起こり得ないと思いますが、この小説でもこうした事態が起こるベースとなっている球団経営の難しさは解決しておらず、日本プロ野球が立ち行かなくなることは十分にあり得るでしょう。そうなる前に、オーナーも、指導者たちも、選手も、それぞれに何をすべきを考えた方がいいでしょうね。プロ野球の火が消えれば、高校野球も、学童野球も、その火は消えてしまいます。

 

プロ野球の改革に期待したいですね。

 

 

 

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