アール・ヌーヴォーの代表的な画家アルフォンス・ミュシャの作品の図版を収録し、ミュシャの創作活動と生活等を紹介する本。
ほぼ無名だったミュシャを一躍人気画家にした大女優サラ・ベルナール主演の歴史劇「ジスモンダ」のポスター制作の経緯については、解明されておらず、一説によるととか別のストーリーもあるなどと風聞を並べてさじを投げています(20ページ)。時代の寵児にしては派手な女性関係はなく「女性の影は意外と薄く、艶聞、『浮いた話』とも縁遠い」(148ページ)のだそうです。作品の傾向からすれば、裸婦のモデルのデッサンを相当な頻度でしているはずですが、プロ意識・自制心が強かったのでしょうね。オカルトが好きでフリーメイスンのメンバーでもあった(122~123ページ)そうですから、好みの向きが違ったということなのかもしれませんが。
図版は概ね見たことがあるもので、目新しさは感じませんでしたが、「パリスの審判」の万年カレンダー(101ページ)が、たぶん私には初見で、下のおっちゃん3人組(「真実の口」みたいな)がちょっと気に入りました。「ウェスト・エンド・レビュー」誌表紙(127ページ)の右上の天使とかも。
千足伸行 東京美術 2022年4月10日発行(初版は2012年3月)
ほぼ無名だったミュシャを一躍人気画家にした大女優サラ・ベルナール主演の歴史劇「ジスモンダ」のポスター制作の経緯については、解明されておらず、一説によるととか別のストーリーもあるなどと風聞を並べてさじを投げています(20ページ)。時代の寵児にしては派手な女性関係はなく「女性の影は意外と薄く、艶聞、『浮いた話』とも縁遠い」(148ページ)のだそうです。作品の傾向からすれば、裸婦のモデルのデッサンを相当な頻度でしているはずですが、プロ意識・自制心が強かったのでしょうね。オカルトが好きでフリーメイスンのメンバーでもあった(122~123ページ)そうですから、好みの向きが違ったということなのかもしれませんが。
図版は概ね見たことがあるもので、目新しさは感じませんでしたが、「パリスの審判」の万年カレンダー(101ページ)が、たぶん私には初見で、下のおっちゃん3人組(「真実の口」みたいな)がちょっと気に入りました。「ウェスト・エンド・レビュー」誌表紙(127ページ)の右上の天使とかも。
千足伸行 東京美術 2022年4月10日発行(初版は2012年3月)