火星探査・調査のこれまでを振り返り、火星の地下に水がある(岩盤下の地下水状態か、岩盤内で水酸化物状態か)という見通しからこれを利用した人類の火星での居住に向けての技術開発や法的整備などを論じた本。
水や薄い大気層があっても、大気が薄いため小石ほどの隕石でも減速されずに落ちてくること、大気が薄い上に強い磁場がないために放射線・太陽風がストレートに襲ってくること、砂嵐が頻繁に生じていることなどから、地上での生活や地上の施設、特に太陽光発電パネルの維持には厳しい環境であることが指摘され、宇宙環境の峻厳さと地球環境のありがたみを改めて感じます。また現況では、民間の富裕層/企業への主体の移転・移譲が進む中、限られた資源を早い者勝ちで先占して行くことが予想され、それをうまく協調し制御できるかが論じられ/危ぶまれているのも、なるほどと思いました。
ことがらの性質上、図版、写真が多用されていますが、モノクロのどちらかといえば安めの紙の新書なのが少し哀しい。興味があるならNASAやESAのサイトで見ろということなんでしょうけど。
齋藤潤、監修渡部潤一 ワニブックスPLUS新書 2022年2月25日発行
水や薄い大気層があっても、大気が薄いため小石ほどの隕石でも減速されずに落ちてくること、大気が薄い上に強い磁場がないために放射線・太陽風がストレートに襲ってくること、砂嵐が頻繁に生じていることなどから、地上での生活や地上の施設、特に太陽光発電パネルの維持には厳しい環境であることが指摘され、宇宙環境の峻厳さと地球環境のありがたみを改めて感じます。また現況では、民間の富裕層/企業への主体の移転・移譲が進む中、限られた資源を早い者勝ちで先占して行くことが予想され、それをうまく協調し制御できるかが論じられ/危ぶまれているのも、なるほどと思いました。
ことがらの性質上、図版、写真が多用されていますが、モノクロのどちらかといえば安めの紙の新書なのが少し哀しい。興味があるならNASAやESAのサイトで見ろということなんでしょうけど。
齋藤潤、監修渡部潤一 ワニブックスPLUS新書 2022年2月25日発行