無実なのに有罪判決を受け収監されていることを訴え助けを求める手紙を審査して本当に無実に思える事件を無償で(篤志家からの寄付等により)弁護する弁護士たちの活躍を描いた小説。
非常救済手続(日本でいえば再審請求手続だと思います)のため陪審審理ではないですが、裁判官の指揮の下弁護側検察側の証人尋問が行われて法廷シーンが相応にあり、なぜ無実の者が有罪判決を受けるに至ったか、その陰にあった陰謀が描かれており、リーガル・ミステリーと位置づけて読むことができると思います。
実在の弁護士、実在の事務所をモデルにしている(あぁなんて無欲で誠実で理念的な、刑事弁護士の鑑のような人なんでしょう)ためか、主人公の弁護士が、あまりに無欲で、依頼者が巨額の補償金を受けてもなお報酬金さえ取らない上、女性関係さえ乱れないのが、ちょっとグリシャムらしくないというか、展開の予想を外します。
主人公の清廉で無欲な弁護士でない、不法行為による損害賠償請求訴訟専門の弁護士の報酬金は今では40%なんですね(下巻196ページ)。グリシャムの昔の小説では、たいてい30%とか3分の1(33%)だった記憶があるのですが。私は、私の一番の専門領域の解雇事件で金銭解決した場合にいい水準の和解をしたときは(賃金12か月分以上の解決金の時は賃金12か月分を超える部分については)20%+消費税(それ以下の部分は10%+消費税)をいただくことにしているのですが、もっともらってもいいのかも…
原題:The Guardians
ジョン・グリシャム 訳:白石朗
新潮文庫 2022年1月1日発行(原書は2019年)
非常救済手続(日本でいえば再審請求手続だと思います)のため陪審審理ではないですが、裁判官の指揮の下弁護側検察側の証人尋問が行われて法廷シーンが相応にあり、なぜ無実の者が有罪判決を受けるに至ったか、その陰にあった陰謀が描かれており、リーガル・ミステリーと位置づけて読むことができると思います。
実在の弁護士、実在の事務所をモデルにしている(あぁなんて無欲で誠実で理念的な、刑事弁護士の鑑のような人なんでしょう)ためか、主人公の弁護士が、あまりに無欲で、依頼者が巨額の補償金を受けてもなお報酬金さえ取らない上、女性関係さえ乱れないのが、ちょっとグリシャムらしくないというか、展開の予想を外します。
主人公の清廉で無欲な弁護士でない、不法行為による損害賠償請求訴訟専門の弁護士の報酬金は今では40%なんですね(下巻196ページ)。グリシャムの昔の小説では、たいてい30%とか3分の1(33%)だった記憶があるのですが。私は、私の一番の専門領域の解雇事件で金銭解決した場合にいい水準の和解をしたときは(賃金12か月分以上の解決金の時は賃金12か月分を超える部分については)20%+消費税(それ以下の部分は10%+消費税)をいただくことにしているのですが、もっともらってもいいのかも…
原題:The Guardians
ジョン・グリシャム 訳:白石朗
新潮文庫 2022年1月1日発行(原書は2019年)