鹿島春平太チャーチ

「唯一の真の神である創造主と御子イエスキリスト」この言葉を“知っていれば”「天国での永生」は保証です。

Vol.13 小グループで聖書吟味をさせる

2016年02月02日 | キリスト教の正しい学び方





こんにちわ。

「キリスト教の正しい学び方」、本日も続けて参りましょう。

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前回、キリスト教会は初日から一気に3000人の大教会になったと申しました。

現在日本の通常の教会の会員数は20~50人くらいです。
100人、200人なら大教会で、1000人教会はないんではないかな。

それからしたら、初代教会の発足時点の規模が、驚異的だったことがわかるでしょう。

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新約聖書を読むと、以後も参加者が続いたと推測できます。

エルサレムだけでも教会員は3~5万くらいになっただろうと推定する人もいます。

ともあれ、初日から何千人規模の教会員が出来てしまいました。




<小グループで聖書の「イエス解釈」をさせる>

これを指導する立場の人は、12人の使徒だけです。

使徒とは、弟子の中でもイエスから直接教えを受けた12人の呼称です。

(そのうちの一人、イスカリオテユダは死にましたが、新しく使徒が一人選ばれ補充されました)

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彼らはとにかく、新参加者になにか共通の活動をさせねばならなかった。

人々は「知ること」を求めて殺到してきています。
何を知りたいか?

新参加者はみな旧約聖書を読んでいる人です。
(当時は聖書と言えば、今言うところの旧約聖書しかなかったので、聖書と言えばこれをさします)

彼らは、初日に起きたことや、十字架刑で殺された「ナザレ村出身の」イエスという青年を、聖書をどう解釈したら理解できるかを知りたかった。

鍵は、「イエスにつなげて解釈すること」にありました。

言ってみれば、旧約の「イエス解釈」に新参加者の要望の焦点があったのです。




<定番解釈はなかった>

けれども使徒たちに共通した「定番の解釈」・・・それははありませんでした。

イエスがいなくなる直前に語る「イエス解釈」でさえ、「まだわからないのか・・・」とイエスに言われていたくらいですからね。
定番とは、ほど遠い状態にあったのです。

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解釈のことを教理とも言います。

「教え」そのものは聖句(聖書の中の言葉)にあります。
その「教え」を筋道立った「理屈」に整理したもの、という意味で「教理」というのです。

具体的にはそれは聖句を「解釈」して造るものです。

だから教理は解釈ともいう。
二つは同じ意味の言葉です。

そして、解釈はいろいろになされえます。

聖句は深く、多様な意味を持っているからです。

その解釈の一つを、「もうこれをみんなで共有していこう」と定めたのが「定番」の教理です。


だが使徒たちは、定番の教理を持つには、ほど遠い状態にありました。




<小グループ聖句吟味をさせる>

そこで使徒たちは、新参加者に数人の小グループを作らせました。

各々のグループににリーダーを選ばせ、メンバーが自分の解釈を持ち寄って、自由討論するようにさせた。

各人は、その吟味を通じて認識を深め、解散するのです。
祈りも礼拝もそこで行わせました。

これは後に「家の教会」と呼ばれるようになっていきます。



    


<小グループが連携活動した>

複数グループが協力して活動するのが必要なときには、各グループリーダーが話しあって連携して行いました。
教会全体の事柄については、リーダー会議を開いて決めました。

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使徒たちは時に応じて長老・牧師・監督という三つの呼称で呼ばれていました。

彼らは時には長老として相談に乗り、時には牧師として説教し、時には監督として全体に目配りした。

また時には地区の教会を回って信徒の活動に奉仕し、その開拓宣教を助けたりもしました。




<世界観を共有>

初代教会にはピラミッド型の管理者階層組織もなく命令系統もありませんでした。

その状態で集団全体の一体性が保たれました。

以後その規模は成長しますが、そのままで存続していかれました。

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それは、成員が「イエス解読」を通して、結果的に同じような世界観を共有したからです。


世界観は物事を見るときの「全体観」として働きます。

人は個々の物事の意味を、全体観のなかに位置づけて解釈するのです。

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その解釈が全体観を共有すると似通ったものになります。

すると個々の事柄に対する成員の行動の方向もまた似通ってきます。

現代企業で言う「ベクトルがそろった状態」になります。


すると互いに「一を聞いて十を知る」状態にもなりますから、コミュニケーション効率が抜群な人間集団ともなります。

だから集団は高い一体性を保ってスムースに活動していくことになる。

このことは現代企業も同じです。




<全体観共有度と管理組織の規模>

余談です。

一般に会社などの人間組織でもは、成員の間で自発的な一体性が保たれている度合いが高いと、

本社(そこには管理部門がおかれている)部門の規模は小さくなります。

現場に大幅に権限を委譲できるので、管理者は少数ですむのです。

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逆に成員の間に一体性が弱い会社では、現場に自由に動く権限を与えがたくなります。

各人の行動に食い違いが起きないために、細部にわたって指示・統制しなければならない。

その結果、現場管理のための本部業務が膨大になります。

つまり本社規模も大きくなるのです。




<30年で全ローマ帝国に普及>

初代教会の以後の成長も爆発的でした。

開始後30年でこの活動はローマ帝国全土に広がっていました。

このような急成長は人類の宗教史上に類例がありません。

次回も、キリスト教活動の歴史を追いましょう。



(「キリスト教の正しい学び方」   第13回  完)






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