四谷三丁目の喫茶茶会記(2019/10/22)。
Ryuichi Yoshida 吉田隆一 (bs, bells)
小さなグロッケンを叩くことから始め、その旋律を直接的に引用するでもなくバリトンサックスに移行した。
はじめは比較的なめらかに高低をつないでいく旋律であり、やがて低音をびりびりと響かせるようにシフトしていった。そして実に様々なマルチフォニック。低音の中から高音があらわれる。高音が分かれていきそれぞれの太さも異なる。息の音と共鳴音。音色も一様ではない。太い低音を吹いていて突然マウスピースを引き離すようにして音を断ち切る。ベンド。右手を敢えて上に持ってきたのはオクターブキーを微妙に操作するためだったのだろうか。吹きはじめの慣性や前の音からのつながりによっても鳴り方が異なる。
40分ほどの飽きることのないバリサク・ソロが終わり、ふたたび、町中華のあとにコーヒーで油流しをするようにグロッケンを響かせた。
以前に吉田さんは、単音をさまざまに提示する方法を追求すると言っていたが、それとはまた異なるアプローチだろうか。それともその発展形でもあっただろうか。脳の反応する領域が遷移していくような、面白いサウンドだった。
Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8
●吉田隆一
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
沼田順+照内央晴+吉田隆一@なってるハウス(2019年)
吉田隆一ソロ@なってるハウス(2019年)
吉田隆一ソロ@T-BONE(2018年)
沼田順+照内央晴+吉田隆一@なってるハウス(2018年)
藤井郷子オーケストラ東京@新宿ピットイン(2018年)
MoGoToYoYo@新宿ピットイン(2017年)
秘宝感とblacksheep@新宿ピットイン(2012年)
『blacksheep 2』(2011年)
吉田隆一+石田幹雄『霞』(2009年)