土曜日に友人と写真展のハシゴ。
■ 鬼海弘雄『王たちの肖像』(JCIIフォトサロン)
浅草界隈で出逢った、独立独歩の人びと。なにか違うように思えてならないが、それは個々の人間が異物に他ならないからである。そのことを正面からあらわにする写真群。
やはり鬼海さんならではのトーンの変化に眼が悦ぶ。おそらく銀塩プリントをもとにデジタル出力しているのだろうけれど、どんなに眼を凝らして見てもそれはわからない。丁寧に筆でスポッティングされた箇所もそのままである。
■ 森山大道『沖縄 s49』(SUPER LABO STORE TOKYO)
わりと新しい神保町のギャラリー。1974年に森山大道が沖縄を訪れ、1週間ほどの那覇滞在中に、ハーフサイズのカメラで撮った写真群。森山大道はもうずいぶんと観たけれど沖縄とは珍しいからと思って覗いてみた。プリントされるたびにアクチュアルな力を持つ森山大道があった。地面からの熱気を吸い込んで肺が苦しいような気分。
■ ロバート・フランク『Part 1 オン・ザ・ロード』(gallery bauhaus)
昨年(2019年)に亡くなったばかりのロバート・フランク回顧展。『The Americans』も他の写真群もそうだけれど、独特の粗さに惹かれる。水平もなにもあったものではない、そんなものはプリントのときに斜めにすればよいしなんなら眼が歪んでしまっても構わない。NYのAstor Placeで撮られた建物と男の写真なんて、視ていると重力場がどうかしてしまう。
●鬼海弘雄
鬼海弘雄『眼と風の記憶』
鬼海弘雄『東京ポートレイト』
鬼海弘雄『しあわせ インド大地の子どもたち』
『日中戦争』、鬼海弘雄写真展『東京夢譚』
●森山大道
『1968年 激動の時代の芸術』@千葉市立美術館
牛腸茂雄『見慣れた街の中で』、森山大道『記録23号/パリ+』、渡辺眸『天竺』
比嘉良治『海と岩の語りを読む・琉球列島』、森山大道『1965~』
森山大道「NAGISA」、沢渡朔「Cigar - 三國連太郎」、「カメラとデザイン」、丸尾末広
中藤毅彦、森山大道、村上修一と王子直紀のトカラ、金村修、ジョン・ルーリー
森山大道展 レトロスペクティヴ1965-2005、ハワイ
森山大道と須田一政