Sightsong

自縄自縛日記

『Green Planets』

2020-11-23 11:03:03 | アヴァンギャルド・ジャズ

『Green Planets』(IMCF、2019年)。

Jun Miyake ジュン・ミヤケ (ts, fl, 能管)
Takayuki Hatae 波多江崇行 (g, mandlin, effects, noise)
Naohiro Kawashita 川下直広 (b, ss)
Keiichiro Uemura 上村計一郎 (ds)

届いて何度も聴いているが不思議な感覚。というのは、これまでよく接してきたジャズの熱気と、それとは異質なジャズの熱気とが同時に火砕流のように迫ってくるからだ。

川下さんの濁ったサックスやカッコいいベース、その一方でわけがわからないエネルギーを発散するミヤケさんのサックス、フルート、能管。上村さんのシンバルは金属粉をまぶした刃物のようだ。そして全体に眩しいほどの光を照射する波多江さんのギターやエフェクト。個人力?九州力?

ミヤケさんは以前にフェローン・アクラフと共演するのを観たのみだが、あらためて体感してみたい。

●波多江崇行
波多江崇行+加藤一平@なってるハウス(2018年)
波多江崇行+川下直広+小山彰太(Parhelic Circles)@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2018年)
波多江崇行+川下直広+小山彰太『Parhelic Circles』
(2017年)
沖至『夜の眼』(2015年)

●川下直広
波多江崇行+川下直広+小山彰太(Parhelic Circles)@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2018年)
原田依幸+川下直広『東京挽歌』(2017年)
川下直広カルテット@なってるハウス(2017年)
波多江崇行+川下直広+小山彰太『Parhelic Circles』(2017年)
川下直広@ナベサン(2016年)
川下直広カルテット@なってるハウス(2016年)
沖至『夜の眼』(2015年)
渡辺勝+川下直広@なってるハウス(2015年)
川下直広『Only You』(2006年)
川下直広『漂浪者の肖像』(2005年)
川下直広+山崎弘一『I Guess Everything Reminds You of Something』(1997年)
『RAdIO』(1996, 99年)
『RAdIO』カセットテープ版(1994年)
のなか悟空&元祖・人間国宝オールスターズ『伝説の「アフリカ探検前夜」/ピットインライブ生録画』(1988年) 

●上村計一郎
沖至『夜の眼』(2015年)
榎本秀一『Owl in Blue』(2006年)


生存権、生存思想

2020-11-23 10:56:56 | 沖縄

沖縄の金武湾闘争を引っ張った崎原盛秀氏が先日亡くなったと聞いて、思い出して、上原こずえ『共同の力』(世織書房)を紐解いた。買って積みっぱなしだった。

施政権返還前、1960年代の終わりころから、金武湾に大規模な石油備蓄基地を造る計画が持ち上がった。それに抵抗する住民の運動が高まってゆき、計画縮小という成果を得た。

・・・というくらいの認識だったのだけれど、本書を読むと、この運動には別の大きな意義があったことがわかる。つまり、運動を通じて、「生存権」という思想を抽象的なものから血肉化していったということ。そこからは、地域主義、コモンズ、エコロジー、非暴力、ヤポネシア思想など、多くのものにつながる考えも発展した。この問題の情報誌としてスタートした『琉球弧の住民運動』の復刻版(800ページ超、1万うん千円!)のあとがきには、故・新崎盛暉氏が、沖縄の反基地運動も反環境破壊運動もこれがモデルケースになったのだと書いている。(大したことはしていませんが、僕もこの復刻版の編集委員に名を連ねています。図書館ででも読んでみてください。)

●参照
東陽一『沖縄列島』、『やさしいにっぽん人』(1969年、1971年)
宮本常一『私の日本地図・沖縄』(1970年)
日本ドキュメンタリストユニオン『沖縄エロス外伝 モトシンカカランヌー』(1971年)
唖蝉坊と沖縄@韓国YMCA(2017年)
嘉手苅林昌「屋慶名クワデサー」、屋慶名闘牛場