Sightsong

自縄自縛日記

フェダイン『ファースト』『ジョイント』(JazzTokyo)

2021-05-04 10:29:12 | アヴァンギャルド・ジャズ

フェダイン『ファースト』(地底レコード、1990年)、『ジョイント』(地底レコード、~1993年)のレビューをJazzTokyo誌に寄稿した。

>> #2083 『フェダイン/ファースト&ジョイント』 

●ファースト
フェダイン:
Naohiro Kawashita 川下直広 (ss, ts, vln)
Daisuke Fuwa 不破大輔 (b)
Shiro Onuma 大沼志朗 (ds)
Guest:
Yuji Katsui 勝井祐二 (vln)

●ジョイント
フェダイン:
Naohiro Kawashita 川下直広 (ts)
Daisuke Fuwa 不破大輔 (b)
Shiro Onuma 大沼志朗 (ds)
Guest:
Masato Minami 南正人 (vo, g)
Takayuki Kato 加藤崇之 (g)

●川下直広
『Green Planets』(2019年)
波多江崇行+川下直広+小山彰太(Parhelic Circles)@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2018年)
原田依幸+川下直広『東京挽歌』(2017年)
川下直広カルテット@なってるハウス(2017年)
波多江崇行+川下直広+小山彰太『Parhelic Circles』(2017年)
川下直広@ナベサン(2016年)
川下直広カルテット@なってるハウス(2016年)
沖至『夜の眼』(2015年)
渡辺勝+川下直広@なってるハウス(2015年)
川下直広『Only You』(2006年)
川下直広『漂浪者の肖像』(2005年)
川下直広+山崎弘一『I Guess Everything Reminds You of Something』(1997年)
『RAdIO』(1996, 99年)
『RAdIO』カセットテープ版(1994年)
のなか悟空&元祖・人間国宝オールスターズ『伝説の「アフリカ探検前夜」/ピットインライブ生録画』(1988年) 

●不破大輔
不破ワークス@なってるハウス(2020年)
加藤崇之+不破大輔+藤掛正隆+元晴@荻窪ルースターノースサイド(2019年)
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
渋さチビズ@なってるハウス(2019年)
青山健一展「ペタペタ」とThe Space Baa@EARTH+GALLERY(2017年)
川下直広カルテット@なってるハウス(2017年)
川下直広カルテット@なってるハウス(2016年)
立花秀輝+不破大輔@Bar Isshee(2015年)
不破大輔@東京琉球館(2015年)
山口コーイチ『愛しあうことだけはやめられない』(2009-10年)
高木元輝の最後の歌(2000年)
2000年4月21日、高木元輝+不破大輔+小山彰太(2000年)
『RAdIO』(1996, 99年)
『RAdIO』カセットテープ版(1994年)
のなか悟空&元祖・人間国宝オールスターズ『伝説の「アフリカ探検前夜」/ピットインライブ生録画』(1988年)

●大沼志朗
松風M.A.S.H. その3@なってるハウス(2018年)
松風M.A.S.H. その2@なってるハウス(2017年)
松風M.A.S.H.@なってるハウス(2017年)
M.A.S.H.@七針(2016年)
M.A.S.H.@七針(2015年)


鳥羽耕史『運動体・安部公房』

2021-05-04 09:55:22 | 思想・文学
鳥羽耕史『運動体・安部公房』(一葉社、2007年)がわりとおもしろい本だった。
安部は共産党に入党して1961年に除名されるわけだけれど(そのころの活動のありようについては、道場親信『下丸子文化集団とその時代』に詳しい)、それは、寓意に満ちた作品群がそのイデオロギー体系と根本的に相容れないことと無縁ではなかった。
もうひとつの発見は、安部と写真との関係。安部の写真作品(ミノルタCLEなんかも使っていたはず)は、言語世界に亀裂を入れて都市の回路をあぶり出すための手段だけではなかった。そして、『砂の女』の細部を凝視するような描写は東松照明の写真に影響を受けていたこと(!!)、それによる作品世界(『砂の女』から『箱男』、『方舟さくら丸』へ)は砂の外の政治状況にはもうコミットしないという決意表明でもあったことが示されている。
なるほどなあ、そうだとすると安部のユートピア指向(=地獄指向)も納得できるというものだ。
ところで仙川の安部邸が取り壊されると聞いて焦って見に行ったのが2014年2月だった。それ以来安部公房のことなんて考えもしていなかったけれど、また別のアタマで読んでみようかな。
それはともかく、「運動体」は定義されることのない良い言葉なので、来るべき本のタイトルにも使おうと思っている。
 

『Kobo Abe as Photographer』(1996年の写真展の図録)
仙川の安部公房邸(2014年2月15日)