Sightsong

自縄自縛日記

ロジャー・ターナー+田中悠美子@東北沢OTOOTO

2023-07-30 17:28:18 | アヴァンギャルド・ジャズ

東北沢のOTOOTO(2023/7/29)。

Roger Turner (perc)
Yumiko Tanaka 田中悠美子 (三味線, 大正琴)

はじめに田中ソロ。三味線の演奏に揺らぎが野蛮なほどに取り入れられ、インドのラーガをも思わせる。三味線の響きを大正琴に吸い込ませて別の響きを出すという荒業もみせた。大正琴では煌びやかでサイケデリックなほど。続いて、ロジャーソロ。ロジャーさんの音は(物理的に)先端の音でもあると認識していたが、その多彩さといったら、あらためて感銘を受けてしまう。

デュオではゆっくりと、しかし確実に、フェーズが遷移してゆく。ロジャーさんはバスドラムを使わなかったのだが、その低音領域にまで田中さんが侵略するおもしろさ(ロジャーさんは演奏後に「ユミコはすごいドラマーだ」と笑って言った)。長い弦を使っての三味線の擦れと、ロジャーさんがハイハットのうえにちょこんと付けた小さいシンバルを手で回転させながらの擦れ。ロジャーさんが金属板を共鳴させて放つ長い残響には田中さんも残響で。ここまで高度で愉快な即興をみせられるなんて。

Fuji X-E2, 7Artisans 12mmF2.8, Pentax FA77mmF1.8 (PK)

●ロジャー・ターナー
ロジャー・ターナー&マリ・カマダ『Junk Percussion – Notes for the Future』(JazzTokyo)(2023年)
高橋悠治+ロジャー・ターナー『Live at Aoshima Hall』(JazzTokyo)(2019年)
ロジャー・ターナー+亀井庸州@Ftarri(2019年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+内橋和久@下北沢Apollo(2019年)
アーサー・ブル+スコット・トムソン+ロジャー・ターナー『Monicker - Spine』(2018年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(2018年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
ロジャー・ターナー+広瀬淳二+内橋和久@公園通りクラシックス(2017年)
ロジャー・ターナー+今井和雄@Bar Isshee(2017年)
蓮見令麻@新宿ピットイン(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
ドネダ+ラッセル+ターナー『The Cigar That Talks』(2009年)
フィル・ミントン+ロジャー・ターナー『drainage』(1998、2002年)
アネット・ピーコック『I Have No Feelings』(-1985年)
近藤等則+ジョン・ラッセル+ロジャー・ターナー『Artless Sky』(1979年)

●田中悠美子
Encounter To Engage - featuring Tatsu Aoki, from Chicago@渋谷Li-Po(2023年)
内橋和久+田中悠美子@千駄木Bar Isshee(2023年)
ブライアン・アレン+田中悠美子+今西紅雪@東北沢OTOOTO(2023年)
田中悠美子@Ftarri(2022年)
「ジョン・ラッセルを追悼する」@下北沢アレイホール(2022年)
藤山裕子+さがゆき+田中悠美子+山田邦喜@なってるハウス(2020年)
トム・ブランカート+ルイーズ・ジェンセン+今西紅雪+田中悠美子@本八幡cooljojo(JazzTokyo)(2019年)
齊藤僚太+ヨシュア・ヴァイツェル+田中悠美子@Ftarri(2018年)
角銅真実+横手ありさ、田中悠美子+清田裕美子、すずえり+大城真@Ftarri(2018年)


外山喜雄・恵子写真展「ニューオリンズの日々1968-73」

2023-07-30 14:05:18 | アヴァンギャルド・ジャズ

大の付くヴェテラントランぺッターの外山喜雄さん、ご夫人のピアニスト・恵子さんの写真展「ニューオリンズの日々1968-73」(中野の冬青ギャラリー)。最終日に足を運んだところ会場は満員の賑わい。

クラリネット奏者のジョージ・ルイスが亡くなったときに『スイングジャーナル』誌に原稿を持ち込んだところ採用され、写真も要請されたという。それまで記念写真しか撮ったことのない氏は、父親のレチナIIIcを使いはじめた。それにしても、ニューオリンズの雰囲気が伝わってくる良い写真ばかり。

会場では仲間のクラリネット奏者やトランペット奏者たちとともに演奏も行われた。ふだんニューオリンズジャズを聴くことは少ないけれど、やっぱり賑々しくて愉しくも寂しいところがあって、すごくいい。最後にトランペットを頭上に掲げたのは、ノミに刺されて痒い痒いとやるパンチ・ミラーの芸。その写真が掲載された外山喜雄さんの著作『聖者が街にやってくる』にもサインをいただいてしまった。

外山さんはご近所さんでもあって、外で練習することがあるという。やはりご近所トランぺッターの橋本英樹さんに「外山さんは市川塩浜近くの橋の下で練習している」と聞いたのだけれど、どうも最近は別の場所のもよう。


レチナで撮られた写真

Fuji X-E2, Pentax FA77mmF1.8 (PK), XF35mmF1.4