不動前のPermian(2024/4/15)。
Tetsu Nagasawa 長沢哲 (ds)
Eiko Yamada 山田衛子 (recorder)
はじまると楽器の響きがPermianというハコの響きと相似形なのだという印象を受ける。テナーリコーダーの内部の共鳴からも、またドラムの打音からも伝わる硬質な反響。それがひとつひとつの音をクリアで明確なものとしており、聴く者の集中力を高めてくれる。長沢さんが細かな打音で世界を組み上げてゆく一方で、山田さんの驚異的なタンギングとその連なりによる大きな流れ。シンバルの上に異物を乗せて残響の周波数のプロファイルがぎざぎざの広めになると、山田さんはマージナルな音に移行し、濁りを共有した。
セカンドセットで山田さんが使ったのはバスリコーダーとソプラノリコーダー。バスでは豊かな倍音を活かしたドローン的なもの。そしてソプラノは音の相が遷移しやすいという特性を活かしたものに聴こえた。循環呼吸による長いフレーズも、篳篥を思わせる揺れ動きも、驚くほど各々の音が存在感をもったマルチフォニックもすばらしいものだった。長沢さんは独立して進んだり、リコーダーの変化に呼応したり。吊り下げられたベルを鳴らすときに荒々しいものを出していた。
Fuji X-E2, 7Artisans 12mmF2.8, Leica Elmarit 90mmF2.8 (M)
●長沢哲
長沢哲+阿部真武@Ftarri(2023年)
長沢哲+遠藤ふみ@神保町試聴室(2023年)
長沢哲+阿部真武@Ftarri(2023年)
長沢哲+遠藤ふみ@神保町試聴室(2023年)
長沢哲+矢萩竜太郎+木村由+かみむら泰一+いずるばワークショップ@いずるば(2022年)
長沢哲+遠藤ふみ@神保町試聴室(2022年)
長沢哲+かみむら泰一@東北沢OTOOTO(2019年)
長沢哲ソロ~齋藤徹さんに捧ぐ@本八幡cooljojo(2019年)
長沢哲+清水一登+向島ゆり子@入谷なってるハウス(2019年)
蓮見令麻+長沢哲@福岡New Combo(2019年)
長沢哲+齋藤徹@ながさき雪の浦手造りハム(2018年)
長沢哲+近藤直司+池上秀夫@OTOOTO(2018年)
齋藤徹+長沢哲+木村由@アトリエ第Q藝術(2018年)
#07 齋藤徹×長沢哲(JazzTokyo誌、2017年ベスト)
長沢哲『a fragment and beyond』(2015年)
●山田衛子
山田衛子+山㟁直人+秋山徹次@水道橋Ftarri(2024年)