Sightsong

自縄自縛日記

稲葉佳子・青池憲司『台湾人の歌舞伎町』

2024-11-26 18:49:25 | 関東

稲葉佳子・青池憲司『台湾人の歌舞伎町』(ちくま文庫)がおもしろい。

新橋駅前や渋谷の道玄坂あたりは戦後台湾やくざ(というと物騒だがそういう形でしかありえなかった)が開発を担った場所だと認識していたが、歌舞伎町もまたそうだった。

まずは新宿の西口マーケットがあり、そこを拠点として歌舞伎町が開発される。なぜ西口マーケット拠点かといえば今も残るトンネルを通じて歌舞伎町と地続きだったから。なぜ歌舞伎町に歓楽街と区役所ができたかといえばなにもなかったから。そして西口マーケットの一部はしょんべん横丁(いまの思い出横丁)として残る。

名店どん底も紀伊國屋書店の創業者・田辺茂一から歌舞伎町に移転しろと薦められたが、結局決断できず三丁目にちょっとずれただけだったらしい。ひょっとしたら風景が変わっていたかな。

コマ劇場が消えたのはついこの間くらいに思っていたけれど、実際には2018年末。もう6年も経つじゃないか。本書には1958年のあの界隈の地図が掲載されており、つい時間を忘れて今との違いを比較してしまう。こんどナルシスで川島ママに話を振ってみることにする。

●参照

ムジカについての雑談義 No. 3 サックスソロと歌舞伎町 (齊藤聡から福地史人さんへ)
新宿ゴールデン街、歌舞伎町のナルシス
田村隆一『自伝からはじまる70章』に歌舞伎町ナルシスのことが書かれていた
堀田善衛『若き日の詩人たちの肖像』
新宿という街 「どん底」と「ナルシス」
歌舞伎町の「ナルシス」、「いまはどこにも住んでいないの」


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