クリスペル+ドレッサー+ヘミングウェイ『Play Braxton』(Tzadik、2010年)を聴く。
Marilyn Crispell (p)
Mark Dresser (b)
Gerry Hemingway (ds)
タイトル通り、この傑出した3人によるピアノトリオで、アンソニー・ブラクストンの曲を演奏するというアルバムである。
ブラクストンの音楽の面白さはいろいろあると思うのだけれど、抑揚のない微分的・記号的なサックス演奏だけでなく、グルーヴやスイングや目の前の熱さを敢えて排した幾何学的な作曲も、そのひとつに違いない。クリスペルは80年代から90年代にブラクストンと行動を共にしていたわけであり、ピアノであれば、ブラクストン自身を除けばクリスペルが適任である。
狂ったように奇妙な曲に沿って執拗に攻めるところなど面白くはある。しかし、この盤が面白いかと言えばちょっと微妙なのだ。ブラクストン要素はもはやブラクストンではないのかもしれない。
●マリリン・クリスペル
マリリン・クリスペル+ルーカス・リゲティ+ミシェル・マカースキー@The Stone(2015年)
「ニューヨーク、冬の終わりのライヴ日記」(2015年)
ガイ+クリスペル+リットン『Deep Memory』(2015年)
プール+クリスペル+ピーコック『In Motion』(2014年)
ゲイリー・ピーコック+マリリン・クリスペル『Azure』(2011年)
ルイス・モホロ+マリリン・クリスペル『Sibanye (We Are One)』(2007年)
マリリン・クリスペル『Storyteller』(2003年)
マリリン・クリスペル+バリー・ガイ+ジェリー・ヘミングウェイ『Cascades』(1993年)
ペーター・ブロッツマン
エバ・ヤーン『Rising Tones Cross』(1985年)
映像『Woodstock Jazz Festival '81』(1981年)
●マーク・ドレッサー
マーク・ドレッサー7@The Stone(2017年)
マーク・ドレッサー7『Sedimental You』(2015-16年)
マーク・ドレッサー『Unveil』、『Nourishments』(2003-04年、-2013年)
『苦悩の人々』再演(2011年)
スティーヴ・リーマン『Interface』(2003年)
藤井郷子『Kitsune-Bi』、『Bell The Cat!』(1998年、2001年)
ジェリー・ヘミングウェイ『Down to the Wire』(1991年)
ジョン・ゾーン『Spy vs. Spy』(1988年)
●ジェリー・ヘミングウェイ
WHOトリオ@新宿ピットイン(2015年)
レジー・ワークマン『Summit Conference』、『Cerebral Caverns』(1993年、1995年)
マリリン・クリスペル+バリー・ガイ+ジェリー・ヘミングウェイ『Cascades』(1993年)
ジェリー・ヘミングウェイ『Down to the Wire』(1991年)