浅川マキが渋谷毅のピアノとのデュオで作り上げたLP、『ちょっと長い関係のブルース』（東芝EMI、1985年）を手に入れてしまった。
この盤は中古レコード店でもほとんど目にすることはない。また、旧作のオムニバス『DARKNESS』4部作にも収録されていないのだ。うれしいなあ。
さっそく、2回続けて聴いた。唄は馴染のものばかり。マキの声はちょっとエコーがかかっているようだが気にならない。まだ張りのあるころだ。これに渋谷毅のピアノが絡んでいく。
この盤の白眉はB面。「マイ・マン」、「セント・ジェームス病院」、「炎の向こうに」での文字通り融通無碍の渋谷毅のピアノが素晴らしい。循環し、絶妙極まりない和音を響かせる。ときどき、意図的かと思えるようなもたつきを見せたりもする。静かでかつ過激。それだけ聴いていてもトロンと酔ってしまうようである。
最後の「さかみち」、夜中に部屋に籠り独りで聴いていると、たまらない。
その夜も遅く坂を戻って来た
ふと見ると部屋に明かりが点いていた
なんだか嬉しくなって立ち止まったが
わたしにはわかっていた
あれは消し忘れだってね
●参照
○浅川マキ DARKNESS完結
○ハン・ベニンク キヤノン50mm/f1.8（浅川マキとの共演）
○オルトフォンのカートリッジに交換した（『ふと、或る夜、生き物みたいに歩いているので、演奏者たちのOKをもらった』）
○浅川マキ『闇の中に置き去りにして』
○渋谷毅のソロピアノ2枚
ポスターとは凄い。なかなか手に入らなかったものでしょう。それにしても、新作を長く待っているうちに亡くなってしまいました。
私は今５６歳。浅川マキのレコードは全部２枚ずつ持っています。１枚は収集用で針は落としていません。だからＣＤは１枚。全部収集しています。初期のギターリストはいいですよ。
コンサートのデカイポスターも持っています。
特筆すべきは昔、日本経済新聞で文化部の記事として１ページで掲載された、新聞と全く同じの印画紙モノクロの写真。同サイズのネガも持っています。最近、ブルース系でＣＤ買えるミュージシャンがいなくなりました。
坂田明のこのソロは、マウスピースとリードの隙間からキュキュキュと不協和音が入るのが切実で偏愛しています。ところで3/4ピットインには行けないことが確定しました。残念。
『MAKI IV』とかですね。他にもいろいろあるかもしれません。
それは嬉しい出来事です。「ふしあわせという名の猫」は、私が聴いた90年代には既にライヴでは唄わなくなったようで、一度MCのときに冗談で口ずさんだ程度でした。
ベースの川端民生さんも、もう鬼籍に入っています。マキさんとのライヴも、渋谷毅オーケストラでのアナーキーな演奏（と手拍子）も強烈な記憶です。どのレコードもそうかもしれませんが、移行期の貴重な、大事な記録ですね。
それは嬉しいですね。「今夜はおしまい」、「ボロと古鉄」、「ふしあわせという名の猫」どれも好きな記録です。
当方は日本のロックをろくに知りませんので、お互い様です（笑）
坂田明のソロが好きなのです。ヤフオクでも何回か見たことがあります。「執念深く探していればいずれ手に入る」というレコードの法則がありますので・・・。
80年代の妙なテイストにはあまり馴染めませんでしたが、ライヴで山内テツの轟音ベースを聴いて痺れたりして、今では悪くないなと思っています。でも好きなのはジャズ、とくに『ふと、或る夜、生き物みたいに歩いているので、演奏者たちのOKをもらった』は最高です。（これも入手がなかなか困難ですね）
入手した直後に亡くなってしまいました。浅川マキのお別れの会「こんな風に過ぎて行くのなら」は3/4＠新宿ピットインです。私も仕事帰りにでも、手を合わせに行こうかな・・・