神保町試聴室(2020/2/7)。
Miki Naoe 直江実樹 (radio)
Hisaharu Teruuchi 照内央晴 (p)
sawada (snare)
ファーストセット、直江+照内。照内さんはしばらくは左手だけでピアノを弾き、直江さんも場の中にじわじわと電波を忍び込ませる。ラジオの操作は指によるものだけではなく、揺り動かしたり、客席の後ろまで歩いたりして、侵入させる電波を絵具のように振り撒いている。電波に乗って入ってくる言葉により、目の前の空間が割れて別次元の世界が視えるようだ(『ウルトラマンA』で空が割れてヤプール人の世界が視える、あのイメージ)。意思を持つのか持たないのか不明なラジオのサウンドに対し、照内さんは緩急で呼応した。途中で、ピアノにより小さなおとぎ話を作ろうとする時間もあった。ピアノはどうあってもピアノであり、共演者をアコースティックのみに限らなくてもおもしろい。
セカンドセット、直江+sawada。sawadaさんの楽器はスネアドラムひとつに様々な皮のアタッチメント、様々なスティックと、実にユニークである。先のデュオとはまるで異なるサウンドになったのはピアノと打楽器との違いか。スネアの音は皮やスティックによっても叩き方によっても大きく異なるのだが、おもしろいことにsawadaさんはそれを淡々とこなしていく。ラジオはリズムのうえで踊るダンサーであったり、リズムとともに向こう側へと爆走する者であったり、互いに異なるフリクションを作り出す存在であったりした。sawadaさんは最初と最後は皮のアタッチメントを付けずシンプルに静寂と共存し、それがサウンド全体を構造的なものに感じさせた。
Fuji X-E2、XF60mmF2.4、7artisans 12mmF2.8
●直江実樹
特殊音樂祭@和光大学(JazzTokyo)(2019年)
合わせ鏡一枚 with 直江実樹@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2019年)
フローリアン・ヴァルター+直江実樹+橋本孝之+川島誠@東北沢OTOOTO(2018年)
●照内央晴
豊住芳三郎+照内央晴@渋谷公園通りクラシックス(2020年)
千野秀一+照内央晴@渋谷公園通りクラシックス(2019年)
奥田梨恵子+照内央晴@荻窪クレモニア(2019年)
豊住芳三郎+コク・シーワイ+照内央晴@横濱エアジン(2019年)
照内央晴+加藤綾子@神保町試聴室(2019年)
特殊音樂祭@和光大学(JazzTokyo)(2019年)
フローリアン・ヴァルター+照内央晴@なってるハウス(2019年)
豊住芳三郎インタビュー(JazzTokyo)(2019年)
豊住芳三郎+庄子勝治+照内央晴@山猫軒(2019年)
豊住芳三郎+老丹+照内央晴@アケタの店(2019年)
豊住芳三郎+謝明諺@Candy(2019年)
沼田順+照内央晴+吉田隆一@なってるハウス(2019年)
吉久昌樹+照内央晴@阿佐ヶ谷ヴィオロン(2019年)
照内央晴、荻野やすよし、吉久昌樹、小沢あき@なってるハウス(2019年)
照内央晴+方波見智子@なってるハウス(2019年)
クレイグ・ペデルセン+エリザベス・ミラー+吉本裕美子+照内央晴@高円寺グッドマン(2018年)
照内央晴+川島誠@山猫軒(2018年)
沼田順+照内央晴+吉田隆一@なってるハウス(2018年)
『終わりなき歌 石内矢巳 花詩集III』@阿佐ヶ谷ヴィオロン(2018年)
Cool Meeting vol.1@cooljojo(2018年)
Wavebender、照内央晴+松本ちはや@なってるハウス(2018年)
フローリアン・ヴァルター+照内央晴+方波見智子+加藤綾子+田中奈美@なってるハウス(2017年)
ネッド・マックガウエン即興セッション@神保町試聴室(2017年)
照内央晴・松本ちはや《哀しみさえも星となりて》 CD発売記念コンサートツアー Final(JazzTokyo)(2017年)
照内央晴+松本ちはや、VOBトリオ@なってるハウス(2017年)
照内央晴・松本ちはや『哀しみさえも星となりて』@船橋きららホール(2017年)
照内央晴・松本ちはや『哀しみさえも星となりて』(JazzTokyo)(2016年)
照内央晴「九月に~即興演奏とダンスの夜 茶会記篇」@喫茶茶会記(JazzTokyo)(2016年)
田村夏樹+3人のピアニスト@なってるハウス(2016年)